Raspberry Jam Big Birthday Weekend 2019 in TOKYOについて

太田です。

今年のバースデーイベントについてお知らせせずすいません。諸事情がありまして、、全くいろいろ動けずだったのでごめんなさい。
今年は昨年と違い3月3日1日限りとなりますが、Google AIYなどのハンズオンざんまいのイベントを企画しております。また場所は東京駅近くのサイボウズさんをお借りすることを決めております。募集サイト、詳細内容はすくなくともこの一月末には出したいと思っておりますので、3月3日、もちろん休日ですよ! 開けておいていただけるとありがたいです。告知等はこのサイトで行います、乞うご期待ください。

なお、この日はひな祭りですね、、(意味深)

では、太田でした。

Raspberry Pi 3 Model A+リリース!

本日、Raspberry Pi財団からRaspberry Pi 3 Model A+(以下3A+)のリリースが発表されました。価格は25ドルです。

https://www.raspberrypi.org/blog/new-product-raspberry-pi-3-model-a/

3A+は3B+をベースとして作られた小型モデルであり、SoC等の基本的なスペックは3B+と同一ながら、いくつかの機能が削減されています。

  • SoCにBCM2837B0 1.4GHz 64ビット4コア ARM Cortex-A53 CPUを搭載
  • RAMは512MBを搭載
  • デュアルバンド802.11acの無線LAN・Bluetooth4.2に対応
  • Proant AB社の技術による無線アンテナを採用
  • 有線LANポートなし(LAN7515 USB+LANチップの省略によるもの)
  • PoEピンの省略(有線LANの省略に伴うもの)
  • USBポートは1つ(LAN7515 USB+LANチップの省略によるもの)

Model Aシリーズは2014年秋に1A+がリリースされて以来4年ぶりのアップデートとなり、PiZeroとスペックの差がない状況を脱して大幅な性能向上を果たしました。

リリース時点で認証を取得済みの国は、EU、アメリカ、カナダ、ニュージーランド、インドです。日本のいわゆる技適を含め、他の国も認証が完了次第購入できるようになるようです。製品の認証の状況は公式サイトから確認できます。

https://www.raspberrypi.org/documentation/hardware/raspberrypi/conformity.md

Pimoroniでは早速Pibowケースの3A+対応版も発売されています。

Pibow 3 A+ Coupé (for Raspberry Pi 3 A+)

新旧のModel A+比較写真を掲載します。左が1A+、右が3A+です。

(追記) Raspberry Pi財団オフィシャルのA+ケースも12月にリリースされるようですよ。

Raspberry Pi TV HAT発売(日本では使えません…)

Raspberry Piでテレビを視聴することができるアドオンボード「Raspberry Pi TV HAT」がRaspberry Pi財団から発表されました。価格は21.5ドルです。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-tv-hat/

Raspberry Pi TV HATはSONYのCXD2880チューナーを使用したボードです。欧米で広く普及している地上デジタルテレビ放送の規格であるDVB-TとDVB-T2に対応していますが、日本は地上デジタルテレビ放送はISDB-Tのため、残念ながら日本ではRaspberry Pi TV HATは使用できません。本体の付属品はネジ・スペーサー、コネクター変換(これも日本とは規格が違うようです)となります。

なお、日本への発送に対応していて購入可能なショップは、発表時点ではModMyPiがあります。

https://www.modmypi.com/raspberry-pi/audio-dacampdigi/video-tv-dvb-t/tv-uhat

あわせて、Raspberry Pi Zeroサイズ相当のアドオンボードの規格としてuHATが発表されました。

PiZero登場当初からPimoroniのpHATシリーズをはじめ各社から様々なPiZeroサイズのアドオンボード製品が発売されてきましたが、Raspberry Pi財団がPi ZeroサイズのボードをリリースするのはRaspberry Pi TV HATが初めてとなります。

uHATボードの最低要件( https://www.raspberrypi.org/app/uploads/2018/10/Raspberry-Pi-TV-HAT_Mechanical.png )は以下のようなものです。別途記載の部分に関してはリンク先の画像を参照してください。また、サイズと形状以外のHATの最低要件(EEPROMなど)も満たす必要があります。

  • 65mm X 30mm であること
  • 角の半径が3mmであること
  • コーナーに3つのマウント用の穴を設けること
  • (別途記載の)マウント穴のルールに沿うこと
  • 40ピンのGPIOコネクターを搭載すること

「3つのマウント用の穴」が4つでないのは、ボードのGPIOポートを上にしたとき、左下が欠けている必要があるためです。PiZeroを除くRaspberry Pi (1A+/1B+/2B/3B/3B+)に装着したとき、DSIポートが隠れてしまうのを防ぐため、このような形状になっているようです。

最低要件を満たしていないボードの製品名にHAT(uHAT)をつけることができないとされているため、アドオンボードを開発される方は注意が必要です。なお、HATボードの要件はGitHubで参照できます(投稿時点でuHATの情報はこちらにはまだないようですが……)。

https://github.com/raspberrypi/hats

Raspberry Pi 3B+の工事設計認証番号がraspberrypi.orgに掲載されました

5月17日の夜にRaspberry Piの公式サイトでRaspberry Pi 3B+の工事設計認証番号が記述された認証の書類がアップロードされました。いわゆる技適の確認ができたことになります。

https://www.raspberrypi.org/documentation/hardware/raspberrypi/conformity.md

なお、総務省のサイトではまだ掲載されていないようですが、3月17日の承認とあるため、いずれは下記ページの3月分の公示に掲載されるものと思います。

http://www.tele.soumu.go.jp/j/ref/material/tech/index.htm

Raspberry Pi 3 B+ リリース!

今日は3月14日、Pi(π、円周率) Dayというわけで、Raspberry Pi 3 B+(以下3B+)がリリースされました!

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-3-model-bplus-sale-now-35/

Raspberry Pi 3 B(以下3B)からの変更点は以下の通りです。

  • BCM2837B0の採用。1.4GHz 64ビット4コア ARM Cortex-A53 CPUに強化(3Bは1.2GHz)
  • デュアルバンド802.11acの無線LAN・Bluetooth4.2に対応
  • 有線LANの強化。以前より3倍の高速化
  • PoE(Power over Ethernet)に対応
  • PXEブートとUSBマスストレージブートの改善
  • 温度管理の改善

逆に、変更がない点は以下のとおりです。

  • メモリは1GB LPDDR2 SDRAMから変更なし
  • GPUはVideoCore IVから変更なし
  • 価格は35ドルから変更なし

無線LAN+Bluetoothは、Cypress CYW43455(旧BCM43455)コンボチップによるものです。新たにデュアルバンド802.11acがサポートされたことによって、5GHz帯のWi-Fiに接続できるようになりました。

アンテナ部分はPiZero Wでも採用されたProant AB社のものが引き続き採用されています。

また、有線LANは初代より続いたLAN9512/9514 USB+LANチップからLAN7515 USB+LANチップに置き換わりました。以前はLAN9514の100Mbpsが制約になっていましたが、LAN7515は1Gbイーサネットに対応しているため、BCM2837B0のUSB2.0の性能である300Mbps前後までLANの性能を引き出すことが可能になりました(USB2.0-GbEアダプターのようなイメージですね)。チップメーカーのmicrochipのページで比較ができます。(17:50追記:表現を改善しました)

http://www.microchip.com/wwwproducts/ProductCompare/LAN7515/LAN9514

PoE対応にあわせて、GPIOとUSBポートの近くに新たに4つのピンヘッダが追加されています。今後発売予定のPoE HATと組み合わせて使用することで、PoEによる電源供給が可能になるとのことです。

PXE・USBマスストレージブートは、Raspberry Pi 3で実装された後に見つかった不具合の修正がBCM2837B0のブートROMに加えられています。また、3B+からはデフォルトでPXE・USBマスストレージブートが有効になるようです。

日本での発売は未定のようですが、イギリスではすでにPimoroni、ModMyPiなどで販売が始まっています。本モデルも、3B、PiZeroWと同様に技術基準適合証明・技術基準適合認定の取得が現時点で確認できていないため、日本国内で動作を確認するには電波暗室の利用が必要になるでしょう。日本で使えるようになる日が楽しみですね。

以下は3Bと3B+の比較写真です。表面。チップの番号の刻印が一部省力されたり、チップ部品自体が減ったような印象です。

裏面。FCC IDなどの認証情報はこちらに刻印されています。

Raspbian Stretch リリース!

Raspbian Jessieに代わる新しいバージョンのRaspbian Stretchがリリースされました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspbian-stretch/

RaspbianはDebian Linuxをベースとしており、2年ごとのサイクルでメジャーバージョンアップを行うDebianに合わせてリリースされるものです。

raspberrypi.orgの記事から、変更点を簡単に取り上げます。

  • Sonic Pi バージョン3.0.1を同梱
  • Chromiumブラウザーをバージョン60にアップデート。メモリ使用の改善や、コードの最適化等によって以前より快適に動作するように
  • Bluetoothオーディオのサポート。PulseAudioを利用した対応を廃止し、Stretchではbluez-alsaパッケージを採用することでALSAのみで完結するように
  • 他のユーザー名を使う際の取扱の改善。(※8/18追記)他のユーザーを作成してログインしたときに、raspi-configでそのユーザーのパスワード設定や自動ログインを設定できるように変更
    (8/18追記)※GUI版のraspi-config(rc_gui)では、ロケールを日本にするとpiユーザーのパスワード、もしくはpiユーザーで自動ログインなどという表記になっていますが、新しい挙動はログインしているユーザーのパスワード変更、もしくはログインしているユーザーの自動ログインなどとなります。翻訳の修正を依頼中です
  • Scratch 2のSense HAT向け拡張。Sense HATの実物でもエミュレーターでもScratch 2と連携可能
  • Broadpwnと呼ばれる脆弱性への対応。Raspberry Pi 3・Raspberry Pi Zero Wで使用されるBCM43xxのファームウェアが対象となるため、対応のためのパッチを適用

ブログではJessieからのメジャーバージョンアップ方法も掲載されていますが、ブログにも注意書きがある通り、基本的にはクリーンインストールが推奨されており、メジャーバージョンアップによる動作保証はされていません。もしやりたい場合はバックアップを取得してから実行するようにと注意書きされています。
(※8/18 クリーンインストールが推奨されている旨を追記し、アップグレードからメジャーバージョンアップに表記を変えました)

Raspberry Pi Zero WおよびPiZero用公式ケースが発表

Raspberry Pi財団より、Raspberry Pi発売5周年を記念して、Raspberry Pi Zeroシリーズの最新版となる「Raspberry Pi Zero W(以下PiZero W)」が発表されました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-zero-w-joins-family/

PiZero WではRaspberry Pi 3 Model Bにも内蔵されたCypress CYW43438 (旧Broadcom BCM43438) Wi-Fi・Bluetoothチップが新たに搭載されました。Wi-Fi・Bluetoothの内蔵によって、これまで必要だったUSBドングルが省略することができるため、PiZeroを使った作品のさらなる小型化に貢献できます。

SoCやメモリはこれまでと同様BCM2835、512MBが搭載されます。PiZero V1.3で追加されたカメラポートも引き続き搭載されています。

価格は10ドルと、今までのPiZeroに比べて倍になる一方、これまでのPiZero V1.3も引き続き販売されるため、用途に応じてWi-Fiありなしどちらのモデルも選べます。

歴代のPiZero比較写真、上からPiZero V1.2、PiZero V1.3、そしてPiZero W V1.1です。

裏面です(反射してしまい見えにくいですがご容赦を…)。

また、PiZero Wの発売に合わせて、かねてより要望の多かったRaspberry Pi財団公式のPiZeroケースが発表されました。公式ケースは、PiZero V1.2、PiZero V1.3、PiZero Wのいずれにも対応しています。

PiZero V1.3をケースに収めた様子。

用途に合わせて3種類のふたが用意されており、コンピュート用途に最適な完全に閉じたもの、工作用途に最適なGPIO部分が開いたもの、そしてカメラモジュールと組み合わせた小型カメラづくりに最適なものがあります。

PiZero Wの技術基準適合証明(技適)について

PiZero Wにはボード裏面に技適マークが刻印されていることから、日本でも利用できる見込みです。詳細が確認ができ次第、追記にておしらせします。

国内での販売について

PiZero Wの国内での販売は、スイッチサイエンスで販売される見込みです。3月下旬販売を目指しつつ、技適の確認が正式に取れ次第販売を開始するようです。

スイッチサイエンスにRaspberry Pi Zero Wがやってきた!

(追記)KSYも同じくPiZero Wの販売を予定しています。こちらは3月中旬の販売を目指していますが、スイッチサイエンスと同じく技適の確認が正式に取れ次第販売を開始としています。

https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/48

Raspberry Pi Zero 日本国内で販売開始へ

いくつかのニュースサイトですでに取り上げられていますが、かねてからユーザーの間でも要望の声が多かったRaspberry Pi Zero Ver.1.3の日本国内の販売がいよいよ始まります。

日本国内での販売は、電子部品の通販でおなじみの方も多いスイッチサイエンスと、RSコンポーネンツの個人向けRaspberry Pi正規販売代理店のKSYの2つのショップになります。

いずれのショップとも、基本的に1人につき1台の購入制限があります。これは全世界のRaspberry Pi Zero取扱いショップで共通の制限です。

24日より順次受付が始まるようです。販売時期に関する詳細は各ショップの案内を確認してください。

なお、以前より日本への発送に対応しているPimoroniからの個人輸入も相変わらずできます。合わせ買いするアイテムなどで購入するショップを選ぶのも良いかもしれませんね。

Raspberry Pi Zero – Max 1 Pi Zero Per Customer! – Pimoroni

Raspberry Pi Compute Module 3リリース

Raspberry Pi Compute Module 3がリリースされました。

https://www.raspberrypi.org/blog/compute-module-3-launch/

Compute Modueは、産業用・組み込み用に特化したバージョンのRaspberry Piです。ボードはDDR2 SODIMMと同じフォームファクターが採用されており、開発ボードなどを通じて開発したのち、機器に組み込んで使用することができます。

Compute Module 3は、Raspberry Pi 3で採用されたBCM2837および1GBのRAMを搭載されます。モデルは2種類用意され、ストレージとして4GBのeMMCを搭載した通常モデル(CM3)と、eMMCストレージが省略される代わりにSDカードインターフェイスのピンがモジュールに配線されたCompute Module 3 Lite(CM3L)が販売されます。CM3は30ドル、CM3Lは25ドルになります。

Compute Module 3のリリースに合わせて、開発用ボードである「Compute Module IO Board V3 (CMIO3)」もリリースされています。

Compute Module 3はElement14やRSコンポーネンツより購入可能となっています。

(日本のRSオンライン) http://jp.rs-online.com/web/p/processor-microcontroller-development-kits/1232011/?sra=pmpn

なお、Compute Module 3は、以前紹介したNECのサイネージシステムでも取り上げられています。

NEC Display Solutions EuropeがRaspberry Piとのコラボレーションを発表

Raspbian 2016-11-25リリース

Raspbian 2016-11-25がリリースされました。

https://www.raspberrypi.org/blog/a-security-update-for-raspbian-pixel/

昨今のIoTデバイスへの攻撃を考慮して、SSHサーバーがデフォルトで無効に変更されたのがおもな変更になります。デフォルトのログインユーザー・パスワードである「pi:raspberry」は変更されませんが、raspi-configではパスワード変更に関する警告が表示されるなどの工夫が加わりました。

一方、SSHがデフォルトで無効になると、特にヘッドレス環境ではSSHを有効にする作業にディスプレイとキーボードが必要になってしまうため、不便になります。そこで新しいRaspbianでは、/bootにsshという空のファイルを置いてから起動することで、SSHサーバーを有効に変更することができるように変更されました。ヘッドレスで環境を作る機会が多い方は注意が必要そうです。

なお、起動後は/boot/sshは自動で削除され、次以降の起動時にもSSHサービスが起動するようになります。/boot/sshファイルの配置によるSSHの有効化は/etc/systemd/system/multi-user.target.wants/sshswitch.serviceで実装されているようです。