今日は3月14日、Pi(π、円周率) Dayというわけで、Raspberry Pi 3 B+(以下3B+)がリリースされました!
https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-3-model-bplus-sale-now-35/
Raspberry Pi 3 B(以下3B)からの変更点は以下の通りです。
- BCM2837B0の採用。1.4GHz 64ビット4コア ARM Cortex-A53 CPUに強化(3Bは1.2GHz)
- デュアルバンド802.11acの無線LAN・Bluetooth4.2に対応
- 有線LANの強化。以前より3倍の高速化
- PoE(Power over Ethernet)に対応
- PXEブートとUSBマスストレージブートの改善
- 温度管理の改善
逆に、変更がない点は以下のとおりです。
- メモリは1GB LPDDR2 SDRAMから変更なし
- GPUはVideoCore IVから変更なし
- 価格は35ドルから変更なし
無線LAN+Bluetoothは、Cypress CYW43455(旧BCM43455)コンボチップによるものです。新たにデュアルバンド802.11acがサポートされたことによって、5GHz帯のWi-Fiに接続できるようになりました。
アンテナ部分はPiZero Wでも採用されたProant AB社のものが引き続き採用されています。
また、有線LANは初代より続いたLAN9512/9514 USB+LANチップからLAN7515 USB+LANチップに置き換わりました。以前はLAN9514の100Mbpsが制約になっていましたが、LAN7515は1Gbイーサネットに対応しているため、BCM2837B0のUSB2.0の性能である300Mbps前後までLANの性能を引き出すことが可能になりました(USB2.0-GbEアダプターのようなイメージですね)。チップメーカーのmicrochipのページで比較ができます。(17:50追記:表現を改善しました)
http://www.microchip.com/wwwproducts/ProductCompare/LAN7515/LAN9514
PoE対応にあわせて、GPIOとUSBポートの近くに新たに4つのピンヘッダが追加されています。今後発売予定のPoE HATと組み合わせて使用することで、PoEによる電源供給が可能になるとのことです。
PXE・USBマスストレージブートは、Raspberry Pi 3で実装された後に見つかった不具合の修正がBCM2837B0のブートROMに加えられています。また、3B+からはデフォルトでPXE・USBマスストレージブートが有効になるようです。
日本での発売は未定のようですが、イギリスではすでにPimoroni、ModMyPiなどで販売が始まっています。本モデルも、3B、PiZeroWと同様に技術基準適合証明・技術基準適合認定の取得が現時点で確認できていないため、日本国内で動作を確認するには電波暗室の利用が必要になるでしょう。日本で使えるようになる日が楽しみですね。
以下は3Bと3B+の比較写真です。表面。チップの番号の刻印が一部省力されたり、チップ部品自体が減ったような印象です。
裏面。FCC IDなどの認証情報はこちらに刻印されています。
梱包の紙ケースに、技適マークは印刷されていないでしょうか?
こちらはサンプルのものであるため、技適の印刷はありません。
性能を上げて、値段を変えない!何処かの企業と違って、素晴らしい。
何と言っても「ラズパイ」は子供たちが使えるワンボードマシンの「デファクトスタンダード」だと思います。子供達が買える値段をいつまでもキープして欲しいです。でも、最近は「パイゼロに興味があります」ごめんなさい。