Japanese Raspberry Pi Users Groupでは、以前よりGoogle Groupsによるメーリングリスト形式のオンラインコミュニケーションの場を用意しておりましたが、インターネット上でのコミュニケーション方法の変化を受け、このたびDiscordを開設しました。
参加URLは以下のページに記載しています。
なお、Google Groupsは、2023年末をめどに運用を終了いたします。
Japanese Raspberry Pi Users Groupでは、以前よりGoogle Groupsによるメーリングリスト形式のオンラインコミュニケーションの場を用意しておりましたが、インターネット上でのコミュニケーション方法の変化を受け、このたびDiscordを開設しました。
参加URLは以下のページに記載しています。
なお、Google Groupsは、2023年末をめどに運用を終了いたします。
Raspberry Pi ユーザーズグループ、及び関係者の皆様、
2020年のCOVID-19でもたらされたパンデミック状態は、多くの活動が制限され、ITイベントはほぼオンラインイベントのみとなり、多くの人との実交流も制限される状態となりました。また、Raspberry JAMもオンラインイベントが推奨され、オフラインイベントが開催できない状況が続きました。
昨年より、海外ではWith COVIDということで通常状態に戻していく流れとなり、ITイベントもハイブリッドから全面オフラインイベントへと徐々に移行されるようになりました。Raspberry Pi側からもオフラインイベント再開が言及されるようになり、実際、私(太田)も昨月末に台湾のRaspberry Piコミュニティイベントに参加を果たしました。
オフライン再開の流れに伴い、コアメンバーでオフラインのミートアップ・イベントの開催再開を検討してきました。ただ、検討を開始した昨年はRaspberry Pi自体の在庫不足の影響が残っており、オフラインイベントにてブースを構えさせて頂いても、質問といえば在庫のことばかり、、これには参りました。さらに、日本での会場の貸し出しは、まだコロナを理由に難儀を示すところは多く、調整は難航していました。
そんなとき、ミドクラ様から会場を貸与いただける旨のお話と、彼らが持つEdgeIoTのソリューションの推進協力のお願いのお話を頂きました。
ミドクラ様とはOpenStackの関係でCEOの加藤さんとはご挨拶させて頂いたことがありましたが、近年はEgde IoTへシフトしつつあるお話を聞き、大変興味を持ちました。
私としても、なかなか会場を借りられない現状があることから、大変ありがたいお話であると思い、このたびコラボレーションシップを結ばせて頂きました。そしてこの提携の対話がはじまった今年の春先には、Raspberry Piのサプライチェーン改善によって大分在庫が落ち着き、オフラインイベントを再開しても良いチャンスなのでは感じています。
さて、再開するにあたり、
など、再開にあたってのこれからのユーザグループの方針の発表と、軽めにLT大会が開催できるミートアップができればと思っております。
この度ご縁あり、世界でも有数の技術力を有したジャパニーズ・ラズベリーパイ・ユーザーズ・グループさんの活動を、ミドクラでホスト&支援させて頂くことになりました。
ミドクラは次のコンテナ技術と言われるWeb Assemblyを用いたEdge Device向けの仮想環境の開発に注力しており、東京のオフィスにはローカル5GやGPUサーバー、3Dプリンターなどを備えたオープンイノベーションのためのラボ(「Midocola」)を設置しています。
今後、グループ固有の活動で自由に使って頂くだけでなく、Edge AIの領域にてラズパイを利用した情報発信、啓蒙を含めた様々な先進的な取り組みなどを進めていければと思います。
参加登録はConnpassにて受け付けております。ご参加をお待ちしております。
2022年に発売されたRaspberry Pi Pico Wについて、工事設計認証の取得および表示手順の完了を受けて、日本国内の認定リセーラーが2023年3月27日より販売を開始しています。
KSYは税込1,100円+送料で販売中です。
リリース https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/121
販売ページ https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/863/pdp.open/863
スイッチサイエンスは1,210円+送料で販売中です。なお、需要と供給が安定するまで、購入台数の制限(3台)を設けるとのことです。
リリース https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000064534.html
販売ページ https://www.switch-science.com/products/8171
Raspberry Pi (tradong) Ltd.は3月9日、Raspberry Pi Global Shutter Cameraを発表しました。
Raspberry Pi Global Shutter Cameraは、Sony IMX296センサーを使用した1600万画素のグローバルシャッターカメラで、通常のローリングシャッターカメラと比較して、高速で動作する物体を歪みなく撮影するのに向いています。レンズはRaspberry Pi HQ Cameraと同じくCマウントおよびCSマウント(付属のC-CSアダプタで対応)の各レンズが利用可能です。
Raspberry Pi Global Shutter Cameraの価格は50ドルで、各認定リセーラーを通じて販売されます。日本ではKSY、スイッチサイエンスでそれぞれ販売が開始しています。
KSY(税込8,470円)
スイッチサイエンス(税込8,525円)
あっきぃです。昨日発売されたRaspberry Pi Camera Module 3のサンプルがおおたさんから送られてきましたので、レポートをしていきます。リリース情報の概要は昨日の記事を確認してください。
中央のケーブルがついたものがCamera Module 3です。左が初代、右が2代目、上は参考までにArduicamの16MPオートフォーカスカメラです。基板サイズは2代目と変わりありませんが、カメラセンサー自体は大きくなっているため、Raspberry Pi公式ブログのコメントでもやり取りがあるように、公式のPiZeroケースとは互換がないようです。
続いて裏面。まあ、こちらを見てもあまり面白みはないと言えばないのですが、Camera Module 3と2代目とで意外と回路デザインが変わっていないのは面白いですね。
早速試していく前に、Camera Module 3を使用するには、最新のRaspberry Pi OS Bullseyeと、libcameraによるカメラ環境が必要な点に注意してください。
libcameraは、Raspberry Pi OS Bullseyeで利用が開始されて、旧来のraspistillやraspividコマンドなど(Legacy camera stackなどと呼ばれています)が置き換えられました。ただし、Picamera2 Pythonライブラリの提供が遅れたなどの理由により、旧来のコマンド等を使用するための方法が現在も提供されています。注意が必要なのは、この旧来のほうでは新しいカメラモジュールは利用できないということですね。
Camera Module 3リリース以前に構築されたRaspberry Pi OS Bullseye環境がある場合は、OSのアップグレードをしておきましょう。また、Picamera2 Pythonライブラリも合わせて触ってみたい場合には、以下のコマンドでインストールできます。
$ sudo apt install python3-picamera2
まずはlibcamera-helloコマンドで画面に出しっぱなしにして、動きを見てみましょう。コマンドに–autofocus-modeが追加されており、これを使ってオートフォーカスを有効にできます。
$ libcamera-hello -t 0 --autofocus-mode continuous
この状態でカメラに遠くのものを映させたり、手で遮ってみたりすると、フォーカスを自動で合わせてくれます。手元のスマホなら当然の動きですが、Raspberry Piでも手軽にできるようになったのは感動ですね。
なにもない天井をきれいに映しているカメラにRaspberry Pi Picoをかざすと、Pico……よりも手にピントが合いましたね。
オートフォーカス中のカメラモジュールはこのようにレンズがモーターによって上下しています。
写真を撮影するときはlibcamera-stillコマンドで撮影します。こちらもオートフォーカスに関するオプションが追加されているため、それらを使用可能です。
$ libcamera-still -o af1.jpg --autofocus-mode continuous
マスコットを撮影してみました。
ここで、ぬいぐるみを避けてもう一枚撮影すると、背景に使っていたダンボールにピントが合って、「こわれもの」の文字が鮮明になりましたね。
もうひとつ、HDRモードも注目すべき機能です。異なる露光時間で複数同時に露光をして、センサーがいい感じに合成をしてくれるものです。これもスマホでは普通に使える機能ではありますが、Raspberry Piで手軽に扱えるようになりました。
まずはHDRが無効の状態です。室内で飼育中のメダカですが、日当たりが良いので室内で撮影すると逆光に近い感じになります。
HDRモードを有効にするには、–hdrオプションを付け足すだけです。
$ libcamera-hello -t 0 --autofocus-mode continuous --hdr 1
$ libcamera-still -o hdr.jpg --autofocus-mode continuous --hdr 1
HDRを有効にして撮影すると以下のようになります。水槽のメダカが明るくなり、手前の鉢も明るく写って見えるようになりました。
なお、HDRモードを有効にした場合は、解像度が1/4になる点には注意です。上記画像も、4608 × 2592ピクセルから2304 × 1296ピクセルになっており、1/4ピクセルになっていることが確認できました。上の画像を新しいタブで開いて比較してみてください。
ちなみに撮影風景はこちら。比較で使用したArducamのカメラモジュールから奪い取ったカメラメースと、100円ショップの三脚を組み合わせています。
国内ではすでに認定リセーラーのKSYさんが発売を開始している他、スイッチサイエンスさんも販売に向けて準備中のようです。
個人的に広角版が気になったのでイギリスのPimoroniで注文をしましたが、KSYさんが販売開始していたのを見落としていました……。私が広角版を触れるのは再来週くらいになりそうです。しくしく。
また、NOIR版についてはPimoroniを含めてまだどこも入荷していないようなので、こちらは少し待つ必要がありそうです。
(1/16追記)KSYさんでNOIR版の取り扱いが開始したようです。 https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/908,909,910,911/
Raspberry Piの新しいCamera Moduleの簡単なテストレポートでした。近年のスマホならどれも当たり前になって久しい機能ですが、当たり前になって久しいことで、枯れたカメラセンサーもRaspberry Piのカメラモジュールとして採用できる価格にまでなったと言えます(これまでのRaspberry Pi製品に組み込まれた各モジュールにも言えることではありますが)。
ちなみに、Sony IMX708センサーは、ググってみるとOPPO Find X2、OPPO Reno4 Proなど2年半〜3年前のスマートフォンに採用されていたようです。こうして見ると枯れたと言うにはまだ早い気もしますが、こうしてRaspberry Piで触って遊べるようになったことは大歓迎ですね。
Raspberry Pi (Trading) Ltdは2023年1月9日に、Camera Module 3をリリースしました。
Camera Module 3はオートフォーカスやHDR撮影に対応した12メガピクセルのSONY IMX708イメージセンサーを採用したカメラモジュールです。従来の通常モデルとNoIRモデルに加えて、それぞれに広視野角モデルが追加され、4種類のカメラモジュールが販売されます。通常の視野角のモデルは各25ドル、広視野角モデルは各35ドルで、認定リセラーを通じて販売されます。
なお、Camera Module 3の利用にあたっては、最新のlibcamera環境及びPicamera2 Pythonライブラリが必要で、レガシーカメラスタックでは利用できない点に注意が必要です。
また、Raspberry Pi High Quality CameraのM12マウントマウントバージョンも合わせてリリースされています。価格は50ドルです。
Pico Wの感想ツイートとかを眺めていたら、電池で動かしたらどのくらい持つのかという内容のツイートを見つけて、面白そうだったので試してみることにしました。
たしかに、PimoroniのPico関連製品は乾電池で動かすことを意識してバッテリーボックスセットが売られていたりします。Pico Wに合わせて発売されたPico W Aboardシリーズも単4電池x2のケース付きで販売されていますね。
今回は、電池で駆動するPico W上にWebサーバーを立てて、RP2040のCPU温度と現在時刻をJSONで返すURLを作り、それを別の機材から毎秒GETでアクセスをして、アクセスができなくなるまでの時間を測りました。スクリプトは、前回のレポート記事で紹介したものからBME280を取り除いたようなイメージです。
Pico Wが起動したときの時刻が2021/01/01 00:00:00なので、GETできなくなった直前のJSONに含まれている時刻=電池で動かせた時間として見ることができそうです。
電池は、IKEAのニッケル水素充電池「LADDA」1.2V・2450mAhを2本使用しました。前回のレポートでは、ネットワーク通信時は5Vで0.06A==60mAくらいと計測できていたため、2.4Vでは60mA * 5V / 2.4V == 125mAとして、2450mAh/125mA==19.6時間くらい動くのではないかと思います(なんとなくあってますかね……?このあたりせっかくSNSで助言をいただいたものの、ニガテで理解できているかどうか自信がなく……)。
今回もPico Wは電波暗箱に入れるため、毎秒GETする端末は暗箱の外に設置しますが、暗箱内で無線ブリッジ役をしているRaspberry Piから出る有線LANはUSBに変換されているため、暗箱外で別のRaspberry Piにつないで有線LANブリッジを組み、自宅ネットワークと接続できるようにしつつ、ここからPico Wに対して毎秒GETして、OLEDディスプレイモジュールでJSON内の時刻と温度を表示することとしました。
OLEDディスプレイでは毎回JSONの内容を表示しますが、JSONが取得できなくなったら時刻の表示内容は更新せずに、結果記録用としてそのままにします。
今回はスイッチ付き電池ボックスを使用しましたが、スイッチのレバーを倒すのは暗箱を閉じた状態ではできないので、仕方なく暗箱を開いた状態でレバーを倒して、すぐに箱を閉じることとしました(本当はリレーとかを使えばよかったのでしょうが、機材の都合でできませんでした……)。
あとは電池が切れるまで放置します。が、この時点では時間の予測ができていなかったので、夜に開始して、寝る前にも終わる気配がないことである程度察し、OLEDディスプレイを適当に隠して就寝しました。
翌日、出先からたまにcurlで確認をしていたら、夕方頃に応答がなくなっていました。帰宅してOLEDの表示を確認した結果、22時間43分40秒で更新が止まっていました。
予想よりも3時間ほど長い結果になりましたが、常に通信し続けるわけではなく、毎秒小さなJSONファイルをGETする程度だったため、実際にはアイドル時間もそれなりにあったと思われます。
毎秒無線でアクセスされるような環境下でも、充電池2本でほぼ1日動くことがわかりました。
実際になにかしっかりと運用する時には、センサーやLEDやサーボモーターなどを付けたり、ディープスリープ・ウェイクアップを実装したり、無線アクセスも毎秒ではなく毎分だったりと、実装によって変動はするでしょうが、電池駆動でもわりとなにか遊べそうな感じがしますね。電池駆動の可能性を感じた実験でした。
使用したスクリプトをこちらに置きました。
https://github.com/Akkiesoft/akkiesoft-pico/tree/main/MicroPython/rp2040-temp-webserver
本日発表されたRaspberry Pi Pico W(以下、Pico W)は、これまでのRaspberry Pi Pico(以下、Pico)に無線LANが追加されたバージョンです。Raspberry Pi Zeroに無線LANが搭載された時と似た流れを感じますね。
Picoで遊んでいると、ネットワーク接続が欲しくなることがよくあったため、Pico Wはある意味で待望のリリースと言えそうです。
今回もサンプルをお預かりしましたので、さっそく遊んで、もとい、色々試していきます。
外観をPicoと比べてみます。左がPico W、右がPicoです。
まずは表面。Picoと比べると、四角い銀色のパーツとアンテナが増えたのが分かりやすい変化です。アンテナの配置の都合で、DEBUGのスルーホールが移動してしまったため、これがあることを前提とした基板を作成している人は要注意かも知れません。
Picoで他に惜しいポイントだった、MicroUSBと、RESETボタンがない点は変わりませんでした。(※右のPicoにはPimoroni Captain Resettiが増設されています)
つづいて裏面。Picoよりも各種認証や権利関係のロゴと文字でいっぱいになりました。EUを離脱したイギリスの適合性評価マークであるUKCAロゴが加わった点は、イギリスの製品らしい新たな特徴です。基板の余白が少ないため、今後日本で技適が取得されても、基板への直接の印字は難しそうです(他の国などもそうですが……)。
今回はかんたんな例として、HTTPサーバーを動かして、BME280のセンサーデータJSONで提供するAPIと、それを毎秒取得してデータを表示するようなHTMLを提供する、MicroPython向けのスクリプトを作成しました。スクリプトはGitHubに配置しました。
今回はPimoroniのBME280ライブラリを使用するために、ライブラリを組み込んだPico W向けMicroPythonファームウェアを自前でビルドして使用しました。ビルドの詳細は割愛しますが、MicroPythonのビルドは初めてで、少し苦労しました……。Pico Wリリース前だったため自前ビルドをしましたが、リリース後はきっとPimoroniからPico W向けのファームウェアが提供されると思われるので、今後はそちらを使えば良いでしょう。
さて、Pico Wのテストには、スイッチサイエンスさんからお借りしているいつもの電波暗箱を使用しました。ファームウェアを書き込むには、BOOTSELボタンを押しながら通電する必要があるため、洗濯バサミでボタンを挟んだ状態で暗箱に設置して、電波暗箱の外から書き込みを実行しました。書き込み後はケーブルを抜いてから電波暗箱を開き、洗濯ばさみを外しました。これで準備は完了です。
電波暗箱の中では当然ながら外の電波は遮断されて、部屋の無線LANが使用できません。そこで、Raspberry Piとhostapdを使用した無線LANのブリッジを作成して、それを電波暗箱の中に入れて、Pico WはRaspberry Piの無線LANブリッジに接続するようにします。
Thonnyからスクリプトを実行して、起動後にPico WのIPアドレスにアクセスします。すると、HTMLファイルが読み込まれて、毎秒センサーのデータが更新されました。
なお、電力チェッカーを使用して消費電力を確認したところ、無線LANに接続したあと何もしていない状態では0.02A、データを転送している最中では0.08A前後となりました。
Pico Wの転送速度を調べるために、/longにアクセスされたら500KBくらいの文字列を送るようにスクリプトを少し改造しました。これを無線LANブリッジのRaspberry Piからcurlでダウンロードして、平均ダウンロード速度を確認しました。
akkie@raspberrypi:~ $ curl http://192.168.2.21/long -o /dev/null
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
100 500k 0 500k 0 0 43708 0 --:--:-- 0:00:11 --:--:-- 44116
結果は約42.7KB/秒となりました。軽量なHTMLやJSONデータを読み込むには問題ない速度で、実用的そうです。
Pimoroni Pico Wireless Packは、Pico向けの無線LAN機能拡張ボードで、ESP32を使用して無線LAN接続を使用するため実現します。Pico Wが出る以前のPicoではこのような拡張ボードが必要でした。
まず物理的な比較をすると、Picoのピンがボードで覆われるため、他のボードと同時に使うにはPimoroni Pico Omnibusのような拡張ボードが別途必要になり、作品も大きくなってしまいます。Pico Wであれば、無線のためにピンを使うことはなくなるため、見た目をスッキリさせられます。
続けて転送速度です。Pimoroniのサンプルスクリプトをベースに、先ほどと同じく文字列をたくさん転送するスクリプトを作成して、curlでダウンロードして調べます。
% Total % Received % Xferd Average Speed Time Time Time Current
Dload Upload Total Spent Left Speed
100 10240 100 10239 0 0 1424 0 0:00:07 0:00:07 --:--:-- 1467
結果は1.4KB/sで、Pico Wの1/40になってしまいました……。実際に別の用途で使用したときもHTMLの転送にとても時間がかかっていたため、改めて数字にしてみるとなかなか遅いです。
最消費電力です。BME280のセンサーを読み出してネットワーク通信するようなスクリプトを動かして調べたところ、何もしていない状態では0.06A、通信時は0.12A程度となりました。Pico Wと比較するといずれも消費電力は大きめですね。
Raspberry Pi Pico Wの登場によって、拡張ボードがなくてもネットワークが扱えるようになり、IoT用途として非常に使い勝手の良いボードに進化しました。
もし、通常のRaspberry Piでセンサーを読み出してネットワークで転送するような作品を動かしているなら、Pico Wに移植することで消費電力を大きく減らせそうです。ラジコンカーやロボットなどもPico Wを使って作れそうですね。
一方で、従来のPicoもネットワークを必要としない作品では引き続き需要があると考えられるので、用途に応じて無線あり・なしどちらかのPicoを使い分けると良いでしょう。
そして、毎度残念ながら、Pico Wがいつごろ日本で使用できるようになるのかは不明ですが、日本で発売されるのが待ち遠しいアイテムがまた増えました。
(2023/3/27追記)日本での販売が開始しました。
Raspberry Pi財団は6月30日に、Raspberry Pi Pico W、およびRaspberry Pi Pico H、Pico WHをそれぞれ発表しました。
Raspberry Pi Pico Wは、2021年1月に発売したRaspberry Pi Picoにワイヤレス機能を追加したモデルです。Raspberry Pi Picoと同様、Raspberry Piが設計したRP2040チップが使用されており、133MHzのARM Cortex-M0+デュアルコア、256KB RAM、30個のGPIO、様々なインターフェースを搭載します。また、コードとデータ用の2MBのオンボードQSPIフラッシュメモリを搭載しています。
Raspberry Pi Pico Wのワイヤレス機能には、Infineon CYW43439チップを採用しており、無線LANはIEEE802.11 b/g/nを、Bluetoothは5.2をサポートします。なお、リリース時点では無線LANのみがサポートされます。Raspberry Pi Pico Wは6ドルで販売されます。
Raspberry Pi Pico HおよびPico WHは、GPIOにヘッダーと、JTAGにコネクタがあらかじめ実装されたモデルです。自分でヘッダーを実装する必要がなく、簡単にプロジェクトに使用することが可能になります。Raspberry Pi Pico Hは5ドル、Raspberry Pi Pico Hは7ドルで販売されます。
国内ではKSYおよびスイッチサイエンスが各モデルの販売について案内を出しています。Pico WについてはKSYでは990円(税込)、スイッチサイエンスでは1,111円(税込)で販売するとのことです。
https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/108/
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000091.000064534.html
Japanese Raspberry Pi Users Groupでは、お預かりしたサンプルの実機レポートを別途掲載しています。ぜひご覧ください。
(2023/3/27追記)日本での販売が開始しました。
2022年4月7日に、Raspberry Pi OS Bullseeye のアップデートがリリースされました。
今回のアップデートでは、セキュリティを強化及びIoT製品に関する一部の国の法律に対応するために、Raspberry Pi登場初期からのデフォルト設定であったpiユーザー及びパスワードが廃止されました。デスクトップ版・Lite版ともに、初回起動時にユーザー名とパスワードの設定が必要になります。なお、ヘッドレスで利用する場合には、Raspberry Pi Imagerを使用してカスタマイズするか、起動パーティションにuserconfファイルを配置して所定の書式を書くことで対応できます。また、既存の環境でpiユーザーのユーザー名を変更するための方法についても用意されています。
その他、Bluetoothに関する改善や、Waylandの実験的サポートが追加されています。