Raspberry Pi Compute Moduleは、おもに産業向けに開発された、モジュール用のRaspberry Piシリーズです。CM5は、CM4のフォームファクターを維持しながら、Raspberry Pi 5に搭載されたRP1を搭載しており、CM4にはなかったUSB3.0x2ポートを新たにサポートします。CM4とは多くの後方互換性がありますが、USB3.0ポートを搭載する代わりに2-lane MIPIインターフェイスが削除されるなど、いくつかの変更もあります。
W55RP20はこのネットワークチップW5500と、Raspebrry Pi Picoに載っているRP2040とFlashを1パッケージにまとめた製品です。 1パッケージにまとめるメリットとしては、中身のW5500とRP2040とFlashを別々に基板に乗せる場合に比べてチップ1枚分の面積が減らせて基板を小型化できたり、配線をシンプルにできるなどがあります。私は趣味でRP2040の基板設計制作もしているので、個人的にも1パッケージになって面積や配線のコストが減るのは大変嬉しいです。
実際に動かしてみましょう。まずはRaspberry Pi 5を使用して、いろいろなサンプルを動かしてみました。カメラは、カメラケーブルにマスキングテープで針金(ケーブルを束ねるのに使われているネジネジのやつ)を貼り付けて、フレキシブルなケーブルにするハックと、スマホスタンドの組み合わせで固定しました。
The AI Camera can be connected to all Raspberry Pi models, including Raspberry Pi Zero, using our regular camera ribbon cables.
実際に、先日のMaker Faire Tokyo 2024のKSYブースでは、Raspberry Pi Ltdから来ていたMattさんがAI Cameraのデモを持参して展示していて、ここではPi Zero(おそらく2W)が使用されていました。
というわけでわたしもPi Zero 2Wで環境を再現してみました。ディスプレイはPimoroniのHyperPixel4を使用しました。
裏面。こちらのカメラの固定には簡易的に、厚紙とマスキングテープを使用しています。
MicroSDカードのセットアップは、あらかじめRaspberry Pi 5で済ませて、動作も確認してからPi Zero 2Wに移しました。が、どうやらこれではPiZero 2W上のRaspberry Pi OSがカメラを自動認識できないようです。ドキュメントのチュートリアルでも、「少し手を加えれば」という一文があるので、どうやら手を加える必要がありそうです。
With minor changes, you can follow these instructions on other Raspberry Pi models with a camera connector, including the Raspberry Pi Zero 2 W and Raspberry Pi 3 Model B+.
AI Cameraは各リセーラーを通じて販売される見込みです。観測している範囲では、KSYさんと、イギリスのPimoroniは未入荷です。スイッチサイエンスだけ昨晩に販売がありましたが、初回入荷分は少量だったようで、一瞬で完売してしまったようです(わたしはなんとか間に合って購入できました)。1万3千円ほどするのに、皆さん判断が早い……!!
AI Cameraは、AI アクセラレータを統合したソニーのIMX500センサーを使用したカメラモジュールす。また、カメラモジュールのニューラルネットワークとファームウェアの管理にはRP2040が使用されています。
6月に発売されたAi Kitは、性能が高い代わりにRaspberry Pi 5専用でしたが、AI Cameraはコンパクトで、Raspberry Pi Zeroを含む全てのRaspberry Piに接続が可能です。
ソニーが提供するAIツールを使用すると、TensorFlowやPyTorchなどのフレームワークを使用したニューラルネットワークモデルを変換して、AI カメラで効率的に実行できるとしています。また、AI CameraはRaspberry Pi libcameraと統合されており、Picamera2やrpicam-appsなどのアプリケーションを通じて使用が可能です。
Raspberry Pi Pico 2は、RP2350を搭載した新しいマイクロコントローラー開発ボードで、外形やピン配置はPicoと互換性がありますが、RP2350の搭載によって、よりパワフルなボードになりました。価格は5ドルです。
RP2350は、RP2040の機能を強化した新しいマイクロコントローラーチップです。CPUはPicoで採用されていたデュアルArm Cortex-M0+@133MHzから、浮動小数点およびDSPをサポートするDual Arm Cortex-M33@150MhzもしくはDual RISC-V Hazard3@150Mhzに強化され、ArmコアかRISC-Vコアかのどちらかを選んで使えるようになりました。SRAMは264KBから520KBとほぼ倍になり、QSPI Flashも2MBから4MBと倍に増量しています。PIO state machinesは8から12に強化されています。
Raspberry Pi AI Kitは、Hailo 社と共同開発したAIアクセラレータ モジュールに、先日販売開始したRaspberry Pi M.2 HAT+をセットにしたキットです。モジュールにはHailo-8L コプロセッサを搭載しており、Raspberry Pi 5と組み合わせることで、ニューラル ネットワーク、人工知能、機械学習を低遅延かつ低消費電力で試すことが可能としています。