Raspberry JAM Tokyo 2026.3 ラズパイバースデー レポート

3月19日に、中野のPleasanter Loungeをお借りしてRaspberry JAM 2026.3 ラズパイバースデー レポートを開催しました(ブログで告知しておらず、すみません……)。

祝日直前ではありましたが、平日よるにも関わらず18名ほどの方にお越しいただき、Raspberry Piの14周年をお祝いしました。また、お誕生日ケーキはスイッチサイエンス様にスポンサーをいただきました。ありがとうございました……!

私(あっきぃ)は、Raspberry Pi 5を使ってプレゼンテーション。操作は無線マウスのみで操作という、ちょっと冒険的な環境でした。

テーマは1GB RAMのRaspberry Pi 4 or 5を使うとどんな感じなのかについて、8GB RAMなどのモデルを擬似的に1GB RAMに制限して、ブラウザなどの起動や動作を確かめるレポートをしました。ちなみに、発表に使用したRaspberry Pi 5ももちろん1GBに制限していました(スライドデータはPDF)。

スイッチサイエンスさんの製品の展示。Raspberry Pi 4/5に対応したPoE基板や、M.2 と年拡張ボード、スイッチサイエンスさんのスタッフさんが欲しくて製作したというワンボタンUPDIプログラマボードを展示いただきました。

会場を犯しいただいたインプリム様のプロダクトであるPleasanterがちょうど10周年を迎えられ、お祝いに贈られた桜が見頃になっていました。おめでとうございます!

Raspberry Pi 500+リリース!日本語配列版をレビュー!

Raspberry Pi Ltd.は9月25日にRaspberry Pi 500+をリリースしました。価格は200ドルです。

https://www.raspberrypi.com/news/the-ultimate-all-in-one-pc-raspberry-pi-500-plus-on-sale-now-at-200

Raspberry Pi 500+(公式ニュースより引用)

Raspberry Pi 500+は、先に発売されたRaspberry Pi 500のキーボード部分を、メカニカルキーボードに変更したモデルです。メカニカルキースイッチにはGateron KS-33ブルースイッチをRAL 7001シルバーグレーステムにカスタムしたクリッキーキースイッチが採用されています。メインのシステム基板はRaspberry Pi 500と共通で、ポートも同様の配置ながら、RAMは8GBから16GBに変更されています。また、256GB M.2 NVMe SSDが内蔵されている(交換可能)ため、快適な打ち心地のキーボードを備えた、強力なデスクトップマシンとして使うことができます。

別の記事では、Raspberry Pi Official Magazine 158号から抜粋された、Raspberry Pi 500の開発インタビューが掲載されています。

https://www.raspberrypi.com/news/meet-the-engineers-behind-raspberry-pi-500-plus

日本での販売については、各社より以下の通りアナウンスされています。気になる方はチェックしてみてください(随時追記予定です)。

スイッチサイエンス: https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000217.000064534.html
本体のみが39,600 円、キットが43,560 円(いずれも税込)

KSY: https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/1221/pdp.open/1221

日本語配列版をレビュー!

さて、今回はRaspberry Pi 500+の日本語配列版のサンプルをお預かりしていますので、写真でレビューをしていきます。ちなみに、先述のインタビュー記事で、写真左のChris Martin氏が手にしているのが日本語配列版のようでした(公式マガジンを定期購読しているため、PDF版を入手して拡大したらそのようでした)。

なお、サンプル品のため、製品版とは使用が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。

まずは本体表面です。キーボードの印字は大きくて見やすく、配列も自然です。

Raspberry Pi 500+ 日本語配列版

本体裏面はこちら。下の袋には、キーキャップを外すための道具と、本体ー開くときのヘラが付属していました。

Raspberry Pi 500と比較すると、500よりも500+のほうが一回り大きくなるようです。

IOまわりは、冒頭でもふれた通り、基板が共通のため、全く同じです。強いて言えば、500にはあったセキュリティスロットが省略されています。

側面から見てみると、Raspberry Pi 500+は結構高さが増えています。キースイッチの違いによるものだと思いますが、こうしてみるとインパクトがありますね。

キースイッチについても冒頭で触れましたが、Gateronのクリッキーキースイッチが採用されています。ステムの色カスタムについては気づかなかったため、存在しないキースイッチのようだな……?と思ってはいましたが、納得の理由でした。ロープロファイルキースイッチながら、

キーキャップはCherry MX互換であるため、キーキャップを自由に入れ替えて、好みのキーボードデザインに変えることが可能です。全部を変えてもいいですし、一部だけアルチザンキーキャップに変えておしゃれにして見ても良いかもしれませんね。

さっそく分解

動かしてしまえば後はいつものラズパイですので、先に一旦分解して中身を見てしまいましょう。分解については、公式が手順をアナウンスをしているため、安心して実行できます。その理由は、M.2 SSDの交換の時に必要になるためです。

https://www.raspberrypi.com/documentation/computers/keyboard-computers.html#replace-m2

分解は、背面の5つのネジを外して、スペースバーのあたりからキーボードと本体を分離するように開きます。この時、開きすぎてキーボードのリボンケーブルを破損しないように注意してください。外すと以下のようになりました。

残念ながら、キースイッチはスワップ非対応で、直接はんだ付けされていました。また、キーボードのコントローラーはRP2040が採用されていますね。

本体の方は、というと、ほとんどが銀色のプレートで覆われています。これがRaspberry Pi 500+のSoCの熱を逃がす放熱板として機能していて、中央上部の凹みの部分にSoCがくっついています。プレートが覆われていない部分に、今回の目玉の一つである、M.2 NVMe SSDスロットがあります。SSD交換だけであれば、プレートを外さずに交換ができましたが、手回しネジを手で回すにはプレートがいささか邪魔でしたので、マイナスドライバーを使うのが良さそうです。

こちらはSSDの拡大。現在Raspberry Pi が公式に販売しているSSDは、256GB、512GB、1TBのいずれも2230サイズですので、Raspberry Pi 500+から出てきたこの2280サイズのSSDは”新種”ということになりそうです(が、別の人のレビューを見ると2230サイズらしく、サンプルだからでしょうかね……?)。もっと大容量なものを搭載したいときには、自分で交換ができます。

スロットのほうが2280サイズにしか対応していないのかと言うとそうでもなく、2230、2242、2260、2280の4サイズに対応しています。場合によっては公式の2230サイズのSSDを購入して搭載するのでも良さそうですね。

放熱プレートも外してみましょう。先述の通り、プレートの凹みの部分にSoCがあります。

左側にまだ未実装のパターンが見えますね。PoEの文字がある通り、実装しようと思えばPoEも搭載できる?のかもしれませんが、Raspberry Pi 500のPoE対応版どころか、Raspberry Pi 5公式のPoE+ HAT+も未発売のままです。今後されにモデルが増えるのかも気になるところです。

動かしてみる

今回は「技適未取得機器を用いた実験等の特例制度」の開設届出を提出して、実験をおこないます。そして、ここからの執筆は実際にRaspberry Pi 500+から入力していきます。

まずは電源投入から。電源ケーブルを接続するとすぐに起動が始まるため、動画の様子は一度電源を切ったところから、電源ボタンを押して起動をしています。電源が入ると、虹色に激しく?光りますが、基本的にはここだけで、右上の電源ボタンが常に光るのと、CapsLockをオンにするとCapsLockキーが光る程度です。

キーボードの打鍵音はこんな感じです。←という文字を入力している動画です。かな入力なので打件数が少ないですが。押し心地は軽快で、クリッキーキースイッチらしいカチカチ音が特徴的です。

これはおそらく個人的な問題なのですが、普段Macの配列に慣れているせいか、あるいはEnterキーの右側にHome、End、PgUp、PgDnキーの縦一列があるせいか、その両方なのかは不明ですが、気がつくと指の置き場所がズレて、結構タイプミスをしてしまいがちでして、じつは慣れません……。BackSpaceと長音の打ち間違いは間違いなく全角半角キーがないMac配列への慣れの影響を感じていますが、他の段でもtypoしているのは個人的には理由がよくわかっていません。Raspberry Pi 500ではこのような感覚にはならなかったので、これは不思議に思っているところです。タッチタイピングをちゃんと習得していない我流配置かな入力をやっていて、当然ホームポジションも無視しているので、こうなっている可能性も高いとは思います。そういう意味では、実機を触って確かめてから購入に進むのが個人的にはおすすめです。

使用中の様子にhtopコマンドを添えてみました。16GBのRAMがあり、ブラウザを起動してタブをいくつか開いてみましたが、使用量は2.37GB程度でした。自宅のサブサーバーにPi 5 16GB RAM版を投入して、Dockerホストやら何やらを載せても使い切れなかったのですが、単純なデスクトップ用途でも使い切るのはもしかして難しいのかもしれません……?

ちなみに画面右上にはSoC温度、CPU・GPUの使用率を並べていますが、これだけタブを並べた直後でも41度というぬるさで動作しています。放熱プレートおそるべし。

つづけてSSDの性能テストです。じつは今触っているテスト環境は都合により自分のUSB SSDから起動しているのですが、NVMe SSD自体にはアクセスできるので、hdparmでリードテストを軽く実行してみましょう。とはいえ、Pi 5にSSDを搭載しているときと結果は変わりなく、PCIe3.0を有効にした環境では800MB/sちかい性能を引き出すことが可能です。

$ sudo hdparm -t /dev/nvme0n1

/dev/nvme0n1:
 Timing buffered disk reads: 2456 MB in  3.00 seconds = 818.61 MB/sec

まとめ

キーボード一体型Raspberry Piシリーズ初となる500+が登場して、メカニカルキーボード・16GB RAM・256GB M.2 NVMe SSDを採用した(そして虹色に光る!)超ハイスペックなデバイスになりました。

お値段はRaspberry Piらしからぬ高級ぶりですが、採用している部品一つ一つを見れば納得の価格ではあります。そもそもメカニカルキーボードって時点でお安くはないですからね……。こだわってみたい!という人は500+を、普通スペックでも問題ない人は500を、という棲み分けは全然可能でしょう。写真の通り、物理サイズなども違いますので、そういった点でも好みに応じた選択ができるでしょう。

改めて、日本での販売開始については、各リセーラーの情報を確認の上、入荷通知設定やSNSのフォローなどを活用すると良いでしょう。

Raspberry Piの紹介でテレ東の東京パソコン倶楽部にテレビ出演しました。

東京と一部地方しか放映していないので、お伝えしようか考えましたが、
TVer等の見逃し番組アプリで見られるようですので、念のため。
ギリギリすぎんぞ!とヒンシュク買いそうですが、ほんとごめんなさい。

乃木坂46さんがいつものパターンで何かに頑張る番組シリーズ?の一つである、
『東京パソコン倶楽部』に出演してきました。
ま、最初僕に声がかかったのでなく、某方面からご推薦をいただきまして…
ま、ゲーミフィケーションの一つとしてやってみるのもいいかと快諾し、
Raspberry Piの紹介や使い方を教える『講師』として出演しました。
放送は先々週と先週でなぜか最後のおしりの5分x2の特集という形となっております。

乃木坂の方々にはRaspberry Pi 5を使ってセットアップをするところから始めて、
AI Cameraをいじるところまで、やっていただきました。

版権の問題があり、ここには画像とか貼り付けられず、文字のみですいませんが、
下記TVerのリンクからぜひ最後のわずか5分でありますが、見てくださると幸いです。
後日談などは後ほど。

【東京パソコン倶楽部TVerリンクはこちら】





3月8日開催!Raspberry JAM Tokyo 2025.3 ラズパイ13歳お誕生会!

Raspberry Pi は3月1日(厳密には2月29日)に13歳を迎えます。そのお誕生日をお祝いする会として、Raspberry JAM Tokyo 2025.3を3月8日土曜日に開催します。

参加登録は、Connpassにて受け付けています。また、当日のプログラムもConnpass上で随時更新します。ご都合があいましたらぜひご参加のうえ、Raspberry Piのお誕生日を祝いましょう。

https://raspberrypi.connpass.com

開催概要

  • 開催日: 2025年3月8日(土)
  • 開催時間: 13時〜18時 (完全撤収:19時)
  • 主催: Japanese Raspberry Pi Users Group
  • 協力: 株式会社 ケイエスワイ、株式会社スイッチサイエンス

Raspberry Pi Compute Module 5を買ったのでレビュー

Raspberry Pi Advent Calendar 2024の14日目です。今日はこちらのブログに投稿です。

先月末に発売されたRaspberry Pi Compute Module 5を買ってみたのでレビューしていきます。

最初に言うと、CM5は技適がまだなので、今回は電波暗箱で検証しています。技適未取得機器を用いた実験等の特例制度を申請して検証するのもアリだと思いますが、180日ごとに検証内容を変えてまで、技適マークがつくのをまたずに買うものかどうかは各自で判断が必要そうです。わたしの場合は、暗箱である程度検証が済んだら、無線チップはヒートガンで炙って剥がしてしまおうかと考えています。

Seeedさんでポチポチ

今回は、先に販売ページができてたSeeedさんで購入しました。ついでにSeeed XIAO RP2350が欲しかったのもあります。さらについででUSBハブもポチり。

CM5は、4GB RAM・32GB eMMC・無線ありモデルです。Dev Kitに含まれているのと同モデルのため、これがCM5の標準的なモデルに当たりのではないかと思っています。Pimoroniでは8GB RAMモデルなど別のモデルも展開されていますが、今のところ”無線なし”が売られているところは確認していません。よって、日本では現状は技適がないなりの対応が求められます。

IOボードは、購入時点では売られていなかったので、一旦はCM4のIOボードを流用する方向にしました。

しかし、もう少し待てば、PimoroniからIOボードとかも含めて一式が発売されていたので、焦らないで待てばよかったなあと後悔しました。あと、Seeedからの配送は2週間ほどかかり、Pimoroniで購入した勢の方が先に受け取っていたようなので、それもまた悔しみ。

外観とか

表面は冒頭の画像の通り。右上には、Pi5で登場した容量の表記があります。CM5はeMMCの概念もあるので、列は2つです。16GBはCM5のリリースでも触れられていましたが、シルク印刷は今のところ略されている模様。Pi 5で増えたRP1がどうなるか気になっていましたが、ちゃんと搭載されましたね。このおかげで、CM5でもUSB3.0が標準で使えるようになったのはいい話です。

裏面。CM4と比べると、チップ部品が増えた印象です。そして、部品の斜め配置も少し増えたなと言う感じです。eMMCはこちらに移動しました。CM5ではRP1チップが増えたので、追いやられた感がありますね。認証は、FCCIDとIC、KC IDの3つが見えます。PIPで確認するとFCC、CE、イスラエルとシンガポールしか確認できませんでしたが、KC IDって韓国だったような。

実際にCM4と並べて比較。下がCM5です。上のCM4がLite版なせいもあるとは思いますが、密度が違いますね。

表面もついでに比較。

側面。Pi 5では側面の加工が改善されてバリがなくなりましたが、CM5でも同じく側面がきれいな処理になりました。以前のモデルでは、届いてたらまず紙やすりで側面を削ったりしていましたが、そんな作業とはお別れです。

GbEのトランシーバーチップは、CM4から変わらず、BCM54210PEが採用されています。

無線チップも、RPi-RM0 Cモジュールが搭載されています。じゃあ技適とか問題ないんじゃないのって思うかもしれませんが、アンテナがCM5側にあるため、アンテナと込みで技適の取り直しが必要になると推測されます。これがRM2みたいに、アンテナも込みのモジュールだったら関係なくなるんじゃないかと思うのですが、そうはなってないし、推測の話をしてもしょうがないので忘れます。

ブートローダーEEPROMも、さりげなく裏面に移動していたので、いちおう。

さわるぞ!!

というわけでやっと本編(?)。実際に触っていきます。いつもJAMの開催スペースを提供くださっているミドクラさんから借用中の電波暗箱を活用させていただきました。

箱内の構成は、スイッチサイエンスさんの5A対応電源と、D-Sub9端子経由で有線LANで接続をします。今回使用したのはIOボードはWaveShareのCM4-IO-BASE-Bと、CM4-NANO-Bの2種類。前者はNVMe SSDの接続も含めた検証用で、校舎はeMMCの書き込み管理およびeMMCからブートして試験する用にしました。

CM4-NANO-Bを使用してeMMCに書き込む準備をした状態。箱の右側にあるUSB端子を経由してMacに接続します。有線LANはいらないですが、その後起動することも考えて一応。IOボードのBOOTスイッチをオンにしたら箱を閉じます。

eMMCへのRaspberry Pi OSの書き込み

eMMCにRaspberry Pi OSを書き込むには、usbbootリポジトリのrpibootコマンドを使用します。コンパイルの手順はREADMEに従ってください。

https://github.com/raspberrypi/usbboot

rpibootコマンドのコンパイルができたら、次のコマンドを実行して、USBケーブルを接続します。箱の外から伸ばしたUSBケーブルをMacに接続します。しばらくすると、eMMCストレージが見えるようになるので、後はRaspberry Pi Imagerで書き込みを行います。

$ sudo ./rpiboot -d mass-storage-gadget64

起動!

一度MacからUSBケーブルを抜いて箱を開き、BOOTスイッチを戻したら、電源ケーブルにつなぎ替えて箱を閉じます。箱の外のコンセントを接続して、Raspberry Piを起動します。

起動後は普通にSSHして、いつも通りに使えます。

IOボードの互換性?

今回使用しているIOボードは、いずれもCM4向けのボードです。USB3.0ポートはないため、USB3.0の性能を得ることはできませんが、USB2.0ポート、HDMIポート、LANポートは使えるようでした。LANはSSHで、HDMIはUSBキャプチャボードで、USB2.0ポートは適当なCircuitPythonなPicoボードで確認できました。カメラポートとかも確認すべきですが、今日は一旦割愛ということで。まあ、一通り使えていそうです。

USBキャプチャから得られたデスクトップ多少日本語化とかの調整をした後だけどなにもない

HSMIキャプチャの接続の様子。

NVMeのことを忘れていますが、これはIOボードをチェンジする必要があるので後述します。

eMMCの読み書き速度をみてみる

CM4では、eMMCの速度はややいまいちな印象でした。実際、ベンチマークを取ってみると、100MB/s以下と、もっさりめです。ちなみにベンチマークは https://pibenchmarks.com/ のテストを使用しました。

$ sudo curl https://raw.githubusercontent.com/TheRemote/PiBenchmarks/master/Storage.sh | sudo bash
(略)
MMC Type: eMMC v4 (Embedded) - Manufacturer: Samsung/SanDisk/LG - Model: AJTD4R - Size: 14.3G
(略)
     Category                  Test                      Result     
HDParm                    Disk Read                 75.54 MB/sec             
HDParm                    Cached Disk Read          76.34 MB/sec             
DD                        Disk Write                32.1 MB/s                
FIO                       4k random read            7922 IOPS (31690 KB/s)   
FIO                       4k random write           7449 IOPS (29799 KB/s)   
IOZone                    4k read                   18428 KB/s               
IOZone                    4k write                  22075 KB/s               
IOZone                    4k random read            20386 KB/s               
IOZone                    4k random write           20903 KB/s               

                          Score: 4701

では、CM5ではどうかと言うと……早い!!シーケンシャルリードは300MB/s、シーケンシャルライトは100MB/sと、普通に使うぶんにはまず困らない速度になりました。ランダム性能も100MB/s前後で悪くないですね。これは意外です。

$ sudo curl https://raw.githubusercontent.com/TheRemote/PiBenchmarks/master/Storage.sh | sudo bash
(略)
MMC Type: eMMC v4 (Embedded) - Manufacturer: Samsung/SanDisk/LG - Model: BJTD4R - Size: 28.6G
(略)
     Category                  Test                      Result     
HDParm                    Disk Read                 313.89 MB/sec            
HDParm                    Cached Disk Read          227.71 MB/sec            
DD                        Disk Write                109 MB/s                 
FIO                       4k random read            23594 IOPS (94377 KB/s)  
FIO                       4k random write           25006 IOPS (100024 KB/s) 
IOZone                    4k read                   45470 KB/s               
IOZone                    4k write                  69301 KB/s               
IOZone                    4k random read            44893 KB/s               
IOZone                    4k random write           56323 KB/s               

                          Score: 13136

NVMeはどう?

IOボードをCM4-IO-BASE-Bにチェンジして、NVMeの性能をみていきます。Jeffがすでにテスト済みらしいのですが、CM4向けのIOボードでもPCIe3.0x1接続でNVMeを使えるらしく、追試ということにして私も試してみました。

ちなみに、デフォルトのブート順はeMMCが先になっているので、EEPROMの設定を開いて、eMMCの順番を後ろにしておきました。

$ sudo rpi-eeprom-config -e

# Default BOOT_ORDER for provisioning
# NVMe -> USB -> SD -> Network
BOOT_ORDER=0xf2146

これでNVMeからブートするようになりましたので、PCIeのスピードを3.0に変更します。

$ sudo vi /boot/firmware/config.txt

[cm5]
dtparam=pciex1_gen=3

これで再起動して、ベンチマークを取ってみましょう。結果は……あれ、なんかリードが妙に遅いですね。ライトは早いんですけど。あと、ランダムリードも早いので、シーケンシャルリードだけなんかおかしいですね。SSSTC CL1-3D256-Q11 256GBを使いましたが、こいつが悪いのかしら。

     Category                  Test                      Result     
HDParm                    Disk Read                 156.65 MB/sec            
HDParm                    Cached Disk Read          125.58 MB/sec            
DD                        Disk Write                594 MB/s                 
FIO                       4k random read            155151 IOPS (620606 KB/s)
FIO                       4k random write           88658 IOPS (354632 KB/s) 
IOZone                    4k read                   243558 KB/s              
IOZone                    4k write                  198683 KB/s              
IOZone                    4k random read            62502 KB/s               
IOZone                    4k random write           232042 KB/s              

                          Score: 51281

というわけで、Samsung PM991a 256GBに変更して再テスト。結果は以下の通り、PCIe3.0x1っぽいスピード感を得られていました。ふぅ〜よかった。

     Category                  Test                      Result     
HDParm                    Disk Read                 748.64 MB/sec            
HDParm                    Cached Disk Read          664.08 MB/sec            
DD                        Disk Write                493 MB/s                 
FIO                       4k random read            208979 IOPS (835918 KB/s)
FIO                       4k random write           93090 IOPS (372363 KB/s) 
IOZone                    4k read                   208154 KB/s              
IOZone                    4k write                  173558 KB/s              
IOZone                    4k random read            57892 KB/s               
IOZone                    4k random write           193770 KB/s              

                          Score: 48226

既存環境でCM5をブートするときはそのままではUSB2.0が使えないので注意

既存環境でブートしてUSBデバイスを試そうとしたら、デバイスが認識しなくて「おや?」となりました。IOボードの互換の問題かと思ったらそうではなく、CM4ではotg_modeの設定を投入する必要があったのと同じように、CM5ではdwc2の設定が必要になるようでした。eMMCに導入した環境のconfig.txtには含まれていたので、古いバージョンからのアップデートでは自動挿入されないようです。それもそうか。

というわけで、既存環境にも設定を投入したところ、無事にUSB2.0ポートが認識するようになりました

[cm4]
otg_mode=1

# [cm4]と[all]の間あたりに差し込んでおく
[cm5]
dtoverlay=dwc2,dr_mode=host

[all]

まとめ!

届いたCM5を早速舐め回してみました。一晩でざっと触っただけなので、まだ全然見きれていないですが、CM5は逃げるわけではないので、ゆっくり触っていけたらと思っています。

そう、冬コミの執筆が終わったら、ゆっくり触りたいンゴね……(死)

Raspberry Pi 500リリース

Raspberry Pi Ltd. は12月9日に、Raspberry Pi 500をリリースしました。

https://www.raspberrypi.com/news/raspberry-pi-500-and-raspberry-pi-monitor-on-sale-now

「Raspberry Pi 500」は、Raspberry Piがキーボード一体型となった「Raspberry Pi 400」のRaspberry Pi 5版にあたるモデルです。スペックは基本的にRaspberry Pi 5相当ながら、RAMはPi 400の4GBから倍の8GBが採用されました。

単品モデルには、Raspberry Pi OSが書き込み済みの32GBのSDカードがバンドルされます。価格は90ドルです。

キットモデルは、本体、電源アダプター、マウス、MicroHDMI-HDMIケーブル、入門ガイド、SDカードとケースが付属します。価格は120ドルです。

Raspberry Pi 500は、各リセーラーを通じて販売されますが、日本では技術基準適合証明の取得が完了していないため、取得が確認されて、日本のリセーラーによる販売が開始するのを待つ必要があります。

日本のリセーラーはぞれぞれ、今後の販売予定についてアナウンスしています。日本語版も登場予定で、スイッチサイエンスでは価格を20,130 円としています。

KSY https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/144

スイッチサイエンス https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000184.000064534.html

Raspberry PI 公式モニターの発売

Pi 500との組み合わせを想定した、Raspberry Pi 公式のモニターも合わせて発売されました。15.6インチのフルHS IPSパネルとスピーカーを2つ搭載し、折りたたみ式一体型スタンドとVESAポイントも備えています。価格は100ドルです。

Raspberry Pi 400の価格変更

Raspberry Pi 400については、今後も継続して販売されることと、価格が改定されて値下げされることが、合わせて発表されました。

単品のモデルは、価格変更後の出荷分にSDカードが付属するように変更されながら、価格が70ドルから60ドルに下がりました。また、キットモデルも100ドルから80ドルに価格が変更されています。

Raspberry Pi Compute Module 5リリース

Raspberry Pi Ltd.は11月27日に、Raspberry Pi Compute Module 5(CM5)をリリースしました。

https://www.raspberrypi.com/news/compute-module-5-on-sale-now

Raspberry Pi Compute Moduleは、おもに産業向けに開発された、モジュール用のRaspberry Piシリーズです。CM5は、CM4のフォームファクターを維持しながら、Raspberry Pi 5に搭載されたRP1を搭載しており、CM4にはなかったUSB3.0x2ポートを新たにサポートします。CM4とは多くの後方互換性がありますが、USB3.0ポートを搭載する代わりに2-lane MIPIインターフェイスが削除されるなど、いくつかの変更もあります。

CM4と同様、RAMの容量、eMMCストレージ、無線の有無に応じた多数のバリアントが存在します。RAMは2/4/8/16GBの4種類(16GBが追加。2025年に発売予定)、eMMCは0/16/32/64GBの4種類(64GBが追加)が選択可能です。これらの組み合わせに応じて、45ドルから135ドルで販売されます。

CM5に合わせて、CM5用パッシブクーラー(ヒートシンク)が5ドル、CM5用の新たなIOボードが20ドル、IOケースが15ドル発売されます。

さらに、CM5本体(無線あり・4GB RAM・32GB eMMC)といくつかのアクセサリをセットにしたDevelopment Kitも130ドルで発売されます。

CM5と関連アイテムは認定リセーラーを通じて販売されます。また、無線付きモデルは、日本では技術基準適合証明の取得が完了していないため、取得が確認されて、日本のリセーラーによる販売が開始するのを待つ必要があります。

※CM5は産業向けのため、希望のモデルが個人向けショップで購入できるとは限らない点にご注意ください。

Raspberry Pi Pico 2W リリース

Raspberry Pi Ltdは11月25日、Raspberry Pi Pico 2Wをリリースしました。

https://www.raspberrypi.com/news/raspberry-pi-pico-2-w-on-sale-now

Raspberry Pi Pico 2Wは、8月にリリースされたRaspberry Pi Pico 2の無線機能搭載バージョンです。

Pico 2と同様に、RP2350A マイクロコントローラーを搭載しており、QSPIもPico 2と同じく4MBを搭載します。

また、GPIOピン、ソフトウェアの互換性、無線コントローラー(CYW43439 2.4GHz無線LAN / Bluetooth 5.2)は、Raspberry Pi Pico Wと同様となります。

Raspberry Pi Pico 2Wの価格は7ドルで(参考: Pico 2は5ドル、Pico Wは6ドル)、Raspberry Pi認定リセーラーを通じて発売されます。

なお、日本での販売については、技術基準適合証明の取得が完了していないため、取得が確認されて、日本のリセーラーによる販売が開始するのを待つ必要があります。

記事の中では、すでにPimoroniでいくつかの製品に採用・販売がされているものの、まだ正式にはリリースされていないRaspberry PiのRM2無線モジュールについても、近日中に発売予定と言及されています。

RP2040とネットワークチップが合体! WIZnet W55RP20-EVB-PICO レポート

はじめに

こんにちは、tnishinagaです。

今回はWiznetの新製品W55RP20-EVB-PICOをいただいたので、遊んでみようと思います。

要約

  • W55RP20はW5500とRP2040とFlashが1パッケージになったもの
  • メリット
    • チップ面積が減るので基板をつくる人にはサイズメリットがあるかも
  • デメリット
    • W5500とRP2040間の通信にPIOが必要
      • 代わりにSPI0は不要。一長一短。

W55RP20

W5500は韓国のWIZnet社で作られているマイコン向けのネットワークチップです。
TCP/IPの通信の大部分をハードウェアが行ってくれるので、プログラムサイズや処理コストなどを抑えつつ外部とのネットワーク通信が行えるようになります。
たとえば、有線LANに繋がるIoTデバイスをマイコンで作りたい場合などに重宝するでしょう。

W55RP20はこのネットワークチップW5500と、Raspebrry Pi Picoに載っているRP2040とFlashを1パッケージにまとめた製品です。
1パッケージにまとめるメリットとしては、中身のW5500とRP2040とFlashを別々に基板に乗せる場合に比べてチップ1枚分の面積が減らせて基板を小型化できたり、配線をシンプルにできるなどがあります。私は趣味でRP2040の基板設計制作もしているので、個人的にも1パッケージになって面積や配線のコストが減るのは大変嬉しいです。

EVB-PICOの比較

(EVB-PICOの比較画像。3チップが1パッケージになって回路がだいぶスッキリしている。USB端子がType-Cになったのも地味に嬉しいポイント)

サンプルの動作

W5500-EVB-PICO向けのコードそのままでは動かない

W55RP20向けのサンプルコードは、2024/10/09現在以下の環境向けに提供されています(W55RP20-EVB-PICOページ より引用)

  • C/C++
    • Ethernet Examples
    • AWS Examples
    • Azure Examples
    • LwIP Examples
    • FreeRTOS Examples
  • MicroPython Examples
    • Ethernet Examples

私は普段embassy-rsというRust用のライブラリを使って開発をしているので、紹介されているサンプルではなくembassyのW5500-EVB-PICO用サンプルを試すことにしました。
W55RP20はW5500とRP2040がパッケージ内で接続されているだけなので、W5500とRP2040が使われているW5500-EVB-PICO用のサンプルはちょっと手直しするだけで動くだろうと思って試してみたのですが、うまく動きませんでした。なぜでしょうか?

W55RP20のW5500とRP2040の接続

W5500-EVB-PICO用のサンプルがW55RP20で動かない原因を探るため、W5500とRP2040の接続を公式サイトのsystem overviewより調べます。

W55RP20

(画像はW55RP20プロダクトページより引用)

この図によると、RP2040のGPIO20から25がW5500のSPIインターフェイスに繋がれているようです。
次にRP2040のGPIO20-25を見ていきます。

RP2040GPIO20-25

(rp2040のデータシートpp.237より引用)

データシートによるとRP2040のGPIO20-25にはSPI0の割当ができるので、SPIペリフェラル経由でW5500を制御できると思っていたのですが、うまく動きません。
結論を先にいうと、W55RP20でW5500を制御するためにはPIOでSPI通信する必要があります。

SPI0で通信できない理由

SPI0を使って制御できない理由はW5500とRP2040のピン配線にあります。
通常SPI通信を行うためには、マイコンとデバイス間のIO方向があうように接続が必要です。
しかし、W55RP20のサンプルコードよりSPIピン配置を調べてみると、RP2040のデータシートに記されたピン配置とまったく合いません。

(W55RP20のサンプルコード更新履歴より引用)

RP2040のSPI0を使う前提で図示したらこんな感じでばらばらになっています。どういうことでしょう?

ここでW55RP20のsystem overviewを見直してみると、SPI接続部に「PIO SPI」と書かれていました。

(画像はW55RP20プロダクトページより引用)

また、W55RP20対応時の差分を見直してみると、PIOのアセンブリが追加されていました。
つまり、どうやらRP2040のSPI0はピンの接続があわなくて使えないので、PIOを使ってピンを入れ替えてW5500を制御する必要があるようです。

サンプルコード作成と動作確認

制御のためにPIOのプログラムが必要とわかったので、早速作って動かしてみました。

とりあえず動かすことを目的にSPI MODE0のみ対応かつクロックもテキトーなPIOのコードを書いて、emabssyのwiznet driverで使えるようにSpiBus traitを実装してSPIデバイス部を差し替えています。
抽象レイヤーをちゃんとつかって作られているライブラリは、こういう入れ替えが簡単にできて嬉しいです。

ベースにしたembassyのtcp_serverのサンプルコードは、入力をechobackするだけの簡単なTCPサーバーを立ち上げるだけです。
動作の様子はこんな感じです。

サンプルコードは以下で公開しています。

https://github.com/tnishinaga/w55rp20_tcp_server_example

感想

実際に触ってみての感想です。

  • チップ面積が減るのは基板をつくる人的には大変嬉しい
  • ライブラリが充実してくるまでは使いづらいチップかも
    • W5500制御のためにPIOでSPI制御プログラムを作るのはちょっと大変
      • デバッグ時に疑うところが増えるのも大変
    • 逆に考えればPRチャンスでもある
  • SPIの代わりにPIOが1つ使えなくなるのは一長一短
    • RP2350ならPIOが3つ付いてるので欠点にならないかも?
    • チップリビジョン変更時にSPI0でも制御できるようになると嬉しい

どこで買えるの?

公式通販サイトではcomming soonとなっていますが、digikeyではすでに買えそうでした。

チップ単体はまだ買えませんが、WIZnetさんが以下のような投稿をしているので近いうちに買えるようになると思います。楽しみですね。

Raspberry Pi SSD および SSD Kitsを発表

Raspberry Pi Ltdは10月23日にRaspberry Pi SSD および SSD Kitsを発表しました。

https://www.raspberrypi.com/news/raspberry-pi-ssds-and-ssd-kits

256GBと512GBの2種類が用意されており、SSD単品の場合は256GBが30ドル、512GBが45ドルとなっています。また、M.2 HATとセットになったSSD Kitの場合は、256GBが40ドル、512GBが55ドルとなっています。

なお、今月上旬には、A2クラスに対応した公式のMicroSDカードと、Raspberry Pi 5向けのバンパーも発表されています。

https://www.raspberrypi.com/news/sd-cards-and-bumper