Raspberry Pi Zero 2 W 発表

Raspberry Pi財団は2021年10月28日に、Raspberry Pi Zeroシリーズの最新版である「Raspberry Pi Zero 2 W」を発表しました。

https://www.raspberrypi.com/news/new-raspberry-pi-zero-2-w-2/

Raspberry Pi Zero 2 Wは、Raspberry Pi 3シリーズで採用されたCortex-A53を搭載した64-bit対応の4コア 1GHzのBCM2710A1 CPUを採用し、Raspberry Pi Zero Wに比べて大幅に性能が向上しました。また、DRAMを統合したSiP(System-in-Package)を採用し、「RP3A0」パッケージとして本体上に搭載されます。また、発熱にも配慮されており、高負荷時でもサーマルスロットリングせずに安定した動作が可能としています。

無線はIEEE 802.11 b/g/nに対応した無線LANおよびBluetooth 4.2(BLE対応)を搭載します。

フォームファクターはZero Wをほぼ継承しており、Mini HDMIポート、Micro USB OTGポート、Micro USB 電源ポート、CSIポートが用意されています。また、RUN・AV用のスルーホールは省略され、基板裏にランドとして配置が変更されました。

Raspberry Pi 2 Wの価格は15ドルで、本日より認定リセラーを通じて発売されます。

なお、発表時点では日本向けの技術基準適合証明の取得がないため、日本の通常環境下での使用はまだできません。

また、Raspberry Pi Zero 2 Wのリリースに合わせて、公式の電源アダプターが8ドルで発売されます。

Raspberry Pi Build HAT発表

Raspberry Pi財団は10月19日、Raspberry Pi Build HATを発表しました。

https://www.raspberrypi.com/news/raspberry-pi-build-hat-lego-education/

Build HATは、Raspberry PiとLEGO®を組み合わせてハンズオンで楽しく創造的な学習をするためのアドオンボードです。Build HATにはRaspberry Pi Picoに続く2つ目のRP2040マイクロコントローラー搭載製品としています。

Build HATには最新世代のLEGO®Technic™のモーターや、LEGO® Education SPIKE™ Primeの各種センサーと互換性があり、最大4つのモーターもしくはセンサーがBuild HATに接続できます。

Build HAT用のPythonライブラリが提供されており、かんたんにプロトタイプを作成することが可能です。

https://buildhat.readthedocs.io/en/latest/

また、モーターに安定した電力を供給するために、48W(DC8V/6A)の電源アダプターも同時に発売されます。

価格は、Build HAT本体が25ドル、電源アダプターは15ドルとなっています。

Build HATはRaspberry Pi認定リセラーを通じて販売されます。

製品情報ページ: https://www.raspberrypi.com/products/build-hat/

公式 Raspberry Pi ビギナーズ ガイド(第4版)日本語版が登場

Raspberry Pi財団が発行している公式Raspberry Pi ビギナーズ ガイド(第4版)に日本語版が登場しました。Raspberry Pi認定リセラーを通じて発売されます。

KSY: https://raspberry-pi.ksyic.com/main/index/pdp.id/670/pdp.open/670

Raspberry Pi ビギナーズ ガイド(第4版)は、Raspberry Pi 4およびRaspberry Pi 400に対応した内容に改定されており、初心者でも始められるよう、ていねいに図解されたセットアップ方法の解説から、ScratchやPythonを使用したプログラミング、GPIOを使用した電子工作など、幅広い内容をカバーした一冊となっています。

日本語版発行にあたり、Japanese Raspberry Pi Users Group有志で日本語訳の監訳という形でお手伝いいたしました。

なお、Raspberry Pi ビギナーズ ガイドはMagPiのサイトからPDF版を無償ダウンロードすることもできます(本記事執筆時点では日本語版はまだ入手不可能のようです)。

https://magpi.raspberrypi.org/books/beginners-guide-4th-ed

RP2040発売

Raspberry Pi財団は6月1日、RP2040の発売を発表しました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-rp2040-on-sale/

RP2040はRaspberry Pi Picoに搭載されているマイクロコントローラーチップで、Raspberry Pi初の自社開発コントローラーとなります。Raspberry Pi Pico発表当初より将来的なRP2040チップの発売について言及されていました。

RP2040の単体販売により、Raspberry Pi Picoを使用することなく、直接自分のプロジェクトや製品の基板に組み込むことが可能になります。

1つあたりの販売価格は1ドルで、Raspberry Pi認定リセラーを通じて販売されます。(参考までに、Pimoroniでは10個単位での販売ページを公開しています。)

PoE+ HAT リリース

Raspberry Pi 財団は5月24日、PoE+ HATをリリースしました。価格は20ドルで、6月上旬よりRaspberry Pi認定リセラーから準備発売されます。

PoE+ HATは2018年に発売されたPoE HATの改良版となるPoEに対応したHATボードです。PoE HATは802.3afに対応しており最大15.4Wの電力が供給可能でしたが、今回リリースされたPoE+ HATは802.3atに対応しており、対応したPoEインジェクターと組み合わせることで最大25.5Wの電力供給が可能としています。これにより、Raspberry Pi 4にたくさんのUSBデバイスを接続している状況でもPoE+ HATで安定した電力供給が可能になります。

その他、部品を見直すことで発熱や部品サイズをコンパクトにするなどの改良が加えられています。

なお、以前のPoE HATも引き続き生産されますが、昨今の世界的な半導体不足によって入手困難なシリコンが使用されているため、そのようなシリコンを使用しておらずリードタイムが短いPoE + HATへの移行が検討可能としています。

https://www.raspberrypi.org/blog/announcing-the-raspberry-pi-poe-hat/

Raspberry Pi Picoリリース

Raspberry Pi 財団は1月21日にRaspberry Pi Picoをリリースしました。

Raspberry Pi Pico

Raspberry Pi Picoは、初めての自社設計チップであるRP2040が搭載された低コストで高パフォーマンスなマイクロコントローラーボードです。133MHzで動作するデュアルコアのARM Cortex-M0+、256KBのRAMと2MBのフラッシュメモリ、30個のGPIOピンや、SPI・I2C・UART・12ビットADC・PWMなどの幅広いインターフェースが用意されています。

Raspberry Pi PicoはMicroPythonやC/C++でプログラミングでき、以下のサイトで取り扱い方やRaspberry Pi Picoの詳細なスペック情報が確認できます。

https://pico.raspberrypi.org/getting-started

Raspberry Pi Picoの価格は4ドルで、本日から各Raspberry Pi認定リセラーから発売されます。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-silicon-pico-now-on-sale/

Raspberry Pi 4 Case Fan発表

Raspberry Pi 財団は11月30日に、Raspberry Pi 4用公式ケースのオプション「Raspberry Pi 4 Case Fan」を発表しました。

https://www.raspberrypi.org/blog/new-raspberry-pi-4-case-fan/
Raspberry Pi公式ブログより引用

Raspberry Pi 4は発売以降も電力の最適化が進められた結果、ファンがない状態でもスロットリングが大幅に減るよう改善されていました(※最適化はEEPROMイメージに対して行われており、最新のRaspberry Pi OSを動かすことで自動的に適用されます)。

https://www.raspberrypi.org/blog/thermal-testing-raspberry-pi-4/

今回リリースされたRaspberry Pi 4 Case Fanは、Raspberry Pi4をオーバークロックして使用するユーザーや、常に高負荷状態で利用するユーザーに向けて作られたもので、ファンを追加することで高負荷状態でも快適なSoC温度を保つことができるのが特徴としています。

また、ファンと合わせて、SoC用の18mm×18mm×10mmヒートシンクが付属します。

Raspberry Pi 4 Case Fanの価格は5ドルで、本日よりRaspberry Pi認定リセラーを通じて発売されます。

Raspberry Pi 400リリース

Raspberry Pi 財団は11月2日、Raspberry Pi 400を発表しました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-400-the-70-desktop-pc/

Raspberry Pi 400は、Raspberry PiオフィシャルキーボードをベースにRaspberry Pi 4相当のコンピューターを内蔵した、キーボード一体型の新しいパーソナルコンピュータです。

スペックはBroadcom BCM2711 4-Core Cortex-A72 (ARM v8) 64-bit SoC @ 1.8GHzのSoC(Pi4の1.5GHzより少し早くなっています)と、4GBのRAMを搭載。インターフェイスはUSB2.0x1、USB3.0x2、ギガビットイーサネットx1、GPIOピン、microHDMIx2、SDカードスロット、無線LAN、Bluetoothと、Pi4とほぼ変わらない構成です。

価格は、本体のみの場合は70ドル、マウス・電源・SDカード・マイクロHDMI-HDMIケーブル、ビギナーズガイドブック(英語)がセットになったスターターキットの場合は100ドルとなっています。

キーボードレイアウトは、発売時点では英語(US/UK)、ドイツ、イタリア、フランス、スペインの6種類が用意されていますが、将来的にはオフィシャルキーボードで発売済みの他のレイアウトにも対応したPi400が販売できるように認証の取得を進めるとのことです。日本語版オフィシャルキーボードは8月にリリースされているため、日本語レイアウト版Pi400の登場も期待されます。

Raspberry Pi Compute Module4 発表

10月19日に、Raspberry Pi Compute Moduleシリーズの最新版となる、Raspberry Pi Compute Module4(CM4)の発売が発表されました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-compute-module-4/

CM4は、これまでのモデルと同様にRaspberry Pi 4の通常の形から産業用に向けて小型モジュール化したコンピュータとなります。よって、CM4の基本的なスペックはRaspberry Pi 4に準じています。一方、これまでのCompute ModuleではJEDEC DDR2 SODIMMの規格に沿った形状を採用してきましたが、CM4では新たなフォームファクターとなり、垂直型のコネクタで接続する形に変更されています。

無線LAN・Bluetoothは後述の構成によってあり・なしを選ぶとができます。無線機能を搭載した構成では、オンボードのアンテナに加えて、ケースに組み込まれることを想定した外部アンテナコネクターが実装されています。

CM4では無線LANの有無、RAMの容量(1GB, 2GB, 4GB, 8GB)、eMMCストレージの容量(Lite==なし, 8GB, 16GB, 32GB)の組み合わせで32通りから用途に最適なスペックのモジュール選ぶことができ、最小構成で25ドル、最大構成では90ドルで販売されます。

CM4の発表と合わせて、開発に使用するIOボードも新たに発売されます。価格は35ドルと、以前のIOボードに比べて大幅に安価に設定されました。

IOボードはギガビット・イーサネットポートx1、HDMIポートx2、USB2.0ポートx2、GPIOポート(PoE対応)、PCI Express Gen 2 x1ソケットx1、CSI・DSIポート、バッテリーバックアップつきRTC、12V電源ジャックが搭載されます。Raspberry Pi 4ではUSB3.0ポートがPCI Express接続のVL805 USB3.0ハブチップを経由して接続されますが、IOボードではこれが削減される代わりにPCI Expressスロットとして提供されます。また、バッテリーバックアップつきRTCはIOボードでは初の搭載となります。

CM4の詳細は、明日ドミニク氏によってRaspberry Pi公式ブログで改めて紹介されるとのことです。また、エベン氏とドミニク氏による ディスカッション動画も公開されています。

日本語版Raspberry Pi 公式キーボード発売

先月リリースが予告されていた、日本語版Raspberry Pi 公式キーボードが、8月5日に発売されました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-keyboards-japan/

記事では、日本語版キーボードのために新たにモールドを作成したり、英語版などのキーボードにはない特殊なキー(キーボード右側の「¥」キーなど)への対応に苦労したこと、日本のユーザーにテストなどの協力を仰いだことなど開発秘話が書かれています。

キーボードは先日の記事にも掲載したPimoroniや、日本ではスイッチサイエンスでも2,409円で販売されます。

https://www.switch-science.com/catalog/6425/

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