昨日はちょっと久々のRaspberry Pi JAM Tokyoでした。天気が悪くてどうなるかと思いましたが、ピークが前にずれたおかげで、移動してる間に雨がやんだのでなんとかなりました。よかったーー。
ミドクラさんのスペースの入口にJAMのロゴが入りました。すごい……!
参加人数は天気などの都合で参加できなくなってしまった人もいたぶん減ってしまいましたが、たこ焼きパーティをしながらラズパイの話とかとかラズパイじゃない話とかで盛り上がりました。
Raspberry Pi 4のリビジョンの話
昨日の発表はPi 5とかOSの近況をやったのですが、当日追加でつっこんで話したPi 4の話題をブログにもまとめなおしてみます。Pi 4は最初の発表から3回ほどリビジョンが変わっていて、現在はRev.1.5です。ざっくり以下の内訳です。Rev.1.3がないのは不明ですが、ボツにでもなったのでしょう……?。
- Rev.1.1(2019/6〜): 最初。PD電源が使えない問題があった初期リビジョン。日本未発売なので大多数の日本人ユーザーには関係ない
- Rev.1.2(2019/10〜12): PD電源が使えるように修正されたリビジョン。ここから日本で発売されるようになった。
- Rev.1.4(2020/5, 2021/1〜): 8GB RAM登場以降のデザイン。Dialogのsub-PMICが搭載され、TVSダイオードが移動した。2021/1〜はおそらく他のRAMのモデル?
- Rev.1.5(2021/10〜): 現行。PMIXがMxLからDialog DA9090に変更された
カッコ内はおもに変更履歴のTransition Dateから引用(1.4の2020/5は8GB RAM登場時)ですが、現行リビジョンは2021年10月から移行ということになっていて、実はもう2年半くらい経過しているので、多分これを持っている人も多そうな気がしますが、半導体不足真っ只中だったので、そうでない可能性もあるような気がしています。どうでしょう。
変更履歴はRaspberry Pi Production Information Portal(PIP)で誰でも確認できます。
https://pip.raspberrypi.com/categories/560-pcn
また、手持ちのPi 4のリビジョンはcat /proc/cpuinfo
コマンドで確認できます。
最新リビジョンが欲しい
わたしの場合、出たらすぐに買ってしまうので、最新リビジョンは持っていないことに気づきました。パーツが変わっても動作に変更はないはずですが、もしかして電力の効率が変わって省エネになってたりしたら嬉しいよななどと思ってしまい、しばらく悶々とした結局、我慢できずに買ってしまいました。
ヤフオクで1週間くらい出物を探し回り、マークしてたやつが値下げ再出品されたタイミングで即決落札して、ヤフオクのクーポンとPayPayのポイントを駆使しました。おかげで散財が軽減されました(セルフ暗示)。届いたのがこちら。赤枠部分がPMIC、MxLからDialogになっているのがわかります。
ところで、ヤフオクで物色するために見分け方を研究しまくっていたせいで、先日話題になっていた、ロシアで使われていたというPi 4も、瞬時に「こいつはRev.1.4以降…」と見分けられてしまいました。ちなみに、TVSダイオードがHDMI0の左にいなければRev.1.4以降です。
https://togetter.com/li/2385032
半導体不足でメイカー向けに流れなくてヒーヒー言ってるそばでロシアにRPiが戦争用途に流れてしまっていたのは遺憾(製品の規約でも元から禁止されている)です。ロシアには、やはりというか中国から流されているのがイギリス有料ニュース記事で指摘されていたようです。500万ドル分らしいので、4GB RAM(55ドル)と仮定して利益云々無視した単純な割り算をすれば約9万台となり、なかなかひどいお話です(なお、ウクライナ側も使っていたりするようで……?)。
https://forums.raspberrypi.com/viewtopic.php?t=368865
消費電力を見る
話を戻し「もしかして電力の効率が変わって省エネになってたりしたら嬉しいよな」を確かめるべく電力を測ってみます。USB電流計測器のUT70にPi 5の公式電源を入力して、OUTからPi 4に接続して、MicroSDからOSを起動します。起動が終わって落ち着いた頃の電流をチェックしていきます。
なお、OS側では、電源LEDオフと、無線の無効化の設定を投入しています。設定してない状態で比較すればよかったですね……。設定方法は私のブログのほうで触れています。
また、EEPROMのバージョンも全部そろえてあります。
Rev.1.2
これだけRAMが4GBですが(このリビジョンに8GBモデルはない)それは見なかったことにしつつ、結果は358mAでした。
Rev.1.4
8GBがでてすぐに買ったやつです。結果は353mA。誤差かもしれないけど、Rev.1.2よりも5mAくらい低いかも?
Rev.1.5
これも8GB RAMです。なんと285mA!?50〜60mAも差があるのですが、なんですかこれは?
ついでにRev.1.1
昔Pimoroniで2GB RAMを買ってみたら、まだ在庫のRev.1.1があったらしく来ちゃったやつもいちおう試してみます。技適はないことになっているので、ここでは念のため暗箱に投入します。特例出すよりこっちのが出すだけで早いので……。なお、今回からミドクラ様からユーザー会に貸与いただいた暗箱を使用しています。ありがとうございます。そしていきなり個人的な興味のために使ってしまいすみませんでした。
雑に箱の中にiPhoneをつっこんで、動画をとることでUT70の値を読むことにしました。
結果は390mA。1.5とは100mAも差がついてしまいました。さすがにこの結果をもってPi 4同士で買い替えることはないと思うのですが、Rev.1.1ユーザーはちょっと心揺れてしまいそうな結果です。
Rev.1.5ならSoCの温度も低い気がする
この消費電力ならと、アイドル時のRev.1.5のSoCに指を乗せると、やはりというか全然ぬるいことに気が付きました。初期のアツアツはどこへやら。SoCに指を載せては「熱くて触れない!」などと言われがち(どうしてそんなことを?)ですが、そんな一部な方にもぜひ触ってみて欲しいです。ちなみに45.7℃でした。やっぱりぬるめ。
$ vcgencmd measure_temp
temp=45.7'C
まとめ
1万円ちょっとでただ知的好奇心を満たしました。なんとなく想像だけで買ってみたものの、想定外に消費電力が減っていたのでビビりました。しかし散財である。
リビジョン | アイドル時の電流(mA。無線と電源LEDを無効化した状態) |
1.1 | 390 |
1.2 | 358 |
1.4 | 353 |
1.5 | 285 |
DA9090に変更後にそのような支店で見ている人がいるか探そうとしたら、フォーラムで「DA9090が壊れやすく、入手性がMxLよりも悪いため修理もできない」と騒いでいる、おそらく少数の人を見かけました。入手性はさておき、本当に壊れやすいならとっくに対策が入っているはずですから、無視して良いと思われます。
買ったPi 4は、デスクの上で動いているPi 2Bを置き換えるのに使おうと考えているところです。上に張ったカリカリチューニングのブログに書きましたが、Pi 2Bは現状340mAで動いているので、50〜60mAの節電をしながらRAMを8倍にできそうです。