Raspberry Pi 3とPi DriveでUSB HDDブートをしてみよう

Raspberry Pi 3向けに、SDカード以外のブート方法を提供するための機能が追加されています。現在はベータ版の扱いなので、不具合があるかもしれませんが、試す手順なども掲載されています。

現在はUSBブート、PXEブートの2種類が紹介されています。

https://www.raspberrypi.org/blog/pi-3-booting-part-i-usb-mass-storage-boot/

https://www.raspberrypi.org/blog/pi-3-booting-part-ii-ethernet-all-the-awesome/

PXEブートに関しては私の個人ブログでも紹介していますので、興味がありましたらこちらも見てみてください。

さて、本記事ではPi Driveを使用してUSBブートをしてみたいと思います。

Pi Drive

Pi Driveとは?

Pi Driveは、Western DigialがRaspberry Pi向けにリリースした2.5インチハードディスクです。容量はPi==πにかけて314GBになっています(フォーマットすると……314GBではなくなります)。特徴的なのはインターフェイスで、SATAではなくUSBポートが搭載されています。なので、USBケーブル1本でRaspberry Piと接続できるわけです。

http://store.wdc.com/promo/97047600

正規の購入経路としてはWestern Digitalの通販サイトがあるものの、日本への輸入には対応していないようです。しかし、おおたさんがなぜか入手されたのをお借りしたので、ぺろぺろなめまわしています(なめまわしていません)。

その他謎の入手経路としては、dx.com(中国のガジェット系通販サイト)がありました。ぶっちゃけ容量単価的にはおいしくないですけども。

http://www.dx.com/p/2-5-314gb-usb-hard-drive-for-raspberry-pi-3b-2b-b-silver-black-437594

パッケージはこのような感じです。

IMG_4921

側面には円周率も……!

IMG_4922

Pi Driveはberrybootを使用したHDDブートモードが用意されています。ただ、berrybootがMicroSDカードから起動するようなので完全にSDカードレスにできるわけではないようです。また、Raspberry Pi3リリース前にリリースされたパッケージでしたので、そもそもRaspberry Pi 3には対応していないようでした。

IMG_4923

USBブートをしてみよう

USBブートをするためには以下の手順が必要になります。

Raspberry Pi側の準備

  • MicroSDカードでブートする
  • rpi-updateで最新のファームウェアにアップデート
  • USBブートを有効にする設定を記述して再起動
  • USBブートが有効になったことを確認してシャットダウン

HDDの用意

  • パーティションを切る
  • 切ったパーティションをそれぞれフォーマット
  • Raspberry PiのOSイメージからファイルコピー
  • SDカードからbootcode.binとstart.elfをコピー

作業は以下のページを参考に進めました。

https://www.raspberrypi.org/documentation/hardware/raspberrypi/bootmodes/msd.md

Raspberry Pi側の準備

USBブートを有効にするには、最新のファームウェアにアップデートした環境で特定のオプションを有効にした状態でブートする必要があります。この作業は1度実行すれば、以降は不要のようです。

MicroSDカードに最新のRaspbianを用意して起動した後、以下のコマンドを実行します。

sudo BRANCH=next rpi-update

/boot/config.txtをエディターで開き、以下の一文を追記します。

program_usb_boot_mode=1

Raspbianを再起動したら以下のコマンドを実行して、出力が「17:3020000a」であることを確認します。

$ vcgencmd otp_dump | grep 17:
17:3020000a

HDDの用意

Raspberry PiにPi Driveを接続します。まずはpartedコマンドでパーティションを作成します。

$ sudo parted /dev/sda

(parted) mktable msdos
Warning: The existing disk label on /dev/sda will be destroyed and all data on this disk will be lost. Do you want to continue?
Yes/No? Yes
(parted) mkpart primary fat32 0% 100M
(parted) mkpart primary ext4 100M 100%
(parted) print
Model: WD My Passport 07BA (scsi)
Disk /dev/sda: 314GB
Sector size (logical/physical): 512B/512B
Partition Table: msdos
Disk Flags:

Number Start End Size Type File system Flags
1 1049kB 99.6MB 98.6MB primary fat32 lba
2 99.6MB 314GB 314GB primary ext4 lba
(parted) quit

パーティションをそれぞれmkfsコマンドでフォーマットします。

sudo mkfs.vfat -n BOOT -F 32 /dev/sda1
sudo mkfs.ext4 /dev/sda2

フォーマットしたパーティションをそれぞれ以下のようにマウントします。

sudo mount /dev/sda2 /mnt
sudo mkdir /mnt/boot
sudo mount /dev/sda1 /mnt/boot/

SDカードの中のRaspbianを、rsyncコマンドでHDDにコピーします。rsyncコマンドは別途インストールする必要があります。

sudo apt-get install rsync
sudo rsync -ax / /boot /mnt

コピーしたあとは、HDD内のいくつかのファイルでブート用のパラメータをHDD用に書き換えます。SDカードのデバイス名はmmcblk0ですが、HDDの場合はデバイス名がsdaになるためです。参考ページのようにコマンドで実行すると、一括で置き換えてくれます。

$ sudo sed -i "s,root=/dev/mmcblk0p2,root=/dev/sda2," /mnt/boot/cmdline.txt
$ sudo sed -i "s,/dev/mmcblk0p,/dev/sda," /mnt/etc/fstab

最後にSSHホスト鍵を再生成します。こちらも基本的には参考ページの通り実行します。

cd /mnt
sudo mount --bind /dev dev
sudo mount --bind /sys sys
sudo mount --bind /proc proc
sudo chroot /mnt
rm /etc/ssh/ssh_host*
dpkg-reconfigure openssh-server
exit
sudo umount dev
sudo umount sys
sudo umount proc

最後にRaspberry Piをシャットダウンします。

$ sudo poweroff

HDDブート!

Raspberry Piの電源ケーブルを抜いたら、MicroSDカードを抜き取り、HDDは接続したまま電源を再投入します。少しするとHDDがスピンアップして、(一度スピンダウンしながら)Raspberry Piが起動します。

HDDから起動していることを確認するには以下のようなコマンドを実行してみると良いでしょう。


pi@raspberrypi:~ $ cat /proc/partitions
major minor #blocks name

(中略)
8 0 306677760 sda
8 1 96256 sda1
8 2 306580480 sda2
pi@raspberrypi:~ $ df -h
Filesystem Size Used Avail Use% Mounted on
/dev/root 288G 1.2G 272G 1% /
devtmpfs 459M 0 459M 0% /dev
tmpfs 463M 0 463M 0% /dev/shm
tmpfs 463M 6.2M 457M 2% /run
tmpfs 5.0M 4.0K 5.0M 1% /run/lock
tmpfs 463M 0 463M 0% /sys/fs/cgroup
/dev/sda1 93M 20M 73M 22% /boot
pi@raspberrypi:~ $ mount | grep sda
/dev/sda2 on / type ext4 (rw,noatime,data=ordered)
/dev/sda1 on /boot type vfat (rw,relatime,fmask=0022,dmask=0022,codepage=437,iocharset=ascii,shortname=mixed,errors=remount-ro)

まとめ

Pi Driveを使用して、Raspberry Pi 3でUSB-HDDブートする方法を紹介しました。MicroSDカードが不要になるので、書き換え寿命を気にする必要がなくなるのは便利かもしれません。

あと、Pi Driveについて、一つ気なるところをあげるとすると、アクセスランプの白色LEDがまぶしすぎる点でしょうか……。目に跡が残るくらい明るいんですよね……w

Raspberry Pi ZeroをUSBケーブル1本で遊ぶ

5月リリースのRaspbianから、Raspberry Pi ZeroをOTGスレーブモードで動作させられるようになっていたようです。2つほど設定を記述して、Raspberry Pi ZeroをPCと接続すると、USB-Ethernetデバイスとして接続されて、SSHやVNCで接続できるようになります。Raspberry Pi公式ブログで紹介されていたので早速試してみました。

Raspberry Pi Zero

写真が暗くなってしまった……。

(参照元)
Programming your Pi Zero over USB – Raspberry Pi
Raspberry Pi Zero – Programming over USB! (Part 2) | Andrew’s blog

設定のしかた

Raspbianのディスクイメージをダウンロードして、イメージをSDカードに書き込みます。

書き込んだ後に認識されたbootパーティション(ドライブ)を開いて、以下のファイルを書き換えます。

config.txt
dtoverlay=dwc2の1行を追記します。
cmdline.txt
modules-load=dwc2,g_etherの1文をrootwaitのあとに追記します。改行せずスペース区切りで続けて記述するように注意します。
参照元ブログの方が記述例を提供してくれています。

書き換えが済んだら、SDカードをアンマウントして、Raspberry Pi Zeroに挿入します。

PC側の準備

PCとRaspberry Pi Zeroを接続するときはBonjourが必要になります。PCのOSによって必要なソフトウェアが異なります。

Windowsの場合はBonjourが必要になります。iTunesをインストールすれば自動的にBonjourもインストールされます。Linuxの場合はavahi-daemonが必要になります。Macの場合は特に何も用意しなくても良いです。

PCと接続

PCとRaspberry Pi ZeroのUSBポートにUSBケーブルを接続します。しばらく待つとraspberrypi.localのアドレスで接続できるようになります。


$ ssh pi@raspberrypi.local
Warning: Permanently added 'raspberrypi.local,169.254.75.218' (RSA) to the list of known hosts.
pi@raspberrypi.local's password:

The programs included with the Debian GNU/Linux system are free software;
the exact distribution terms for each program are described in the
individual files in /usr/share/doc/*/copyright.

Debian GNU/Linux comes with ABSOLUTELY NO WARRANTY, to the extent
permitted by applicable law.
Last login: Fri May 27 11:50:26 2016
pi@raspberrypi:~ $

Raspberry Pi ZeroにVNCサーバーをインストールすればデスクトップ画面も開くことができますね。

Raspberry Pi Zeroからインターネットに出る

Raspberry Pi ZeroとPCはネットワークで接続されましたが、ローカル接続なのでRaspberry Pi Zeroはインターネット接続ができません。インターネット接続するにはPC側でインターネット共有を設定すると良いでしょう。Macの場合はシステム環境設定から共有設定ができます。Raspberry Pi ZeroはRNDIS/Ethernet Gadgetとして認識されているので、これを「相手のコンピュータが使用するポート」に指定します。

インターネット共有の例

うまくつながらないとき

うまく接続されない時は、設定が正しいこと、USBケーブルがUSBホストケーブルであることを確認してみてください。とくにUSBケーブルは、充電専用ケーブルは通常のデータ通信ケーブルでは動作しないので注意が必要です。

(追記)USB Aオス-MicroUSB AオスケーブルでUSBホストケーブルになっているものは意外と少ないみたいです。手元のケーブルでは2〜3種類しか対応していませんでした。一般的なUSB Aメス-MicroUSB AオスアダプターとUSB Aオスオスケーブルを組み合わせてみても良いかもしれません。

(USBケーブルの違い参考) USBホストケーブル(OTGケーブル)について | ゆゆぶろぐ

また、Windowsでは動作しないと言う報告が上がっているようです。私もWindows10で試したところ、シリアルデバイスとして認識されてしまい、うまくネットワーク接続できないようでした。

対応機種はZeroだけ

OTGモードはなかなか便利な機能ですが、対応機種はRaspberry Pi Zeroだけとなります。Model BはUSBハブ(LAN951x)を経由しているため、Model AはIDピンがないため、それぞれ使用できないとのことです。

Raspberry Pi Zeroは買えます

カメラポート付きZeroのリリース以降、売り切れても毎週水曜日に在庫が復活する状況が続いています。需要も以前よりだいぶ落ち着いてきているようで、入荷のタイミングを見図らなくてもだいたい購入することができます。入荷後ごとの購入1台制限は変わりありませんが、最近はポンド安なので送料を含めてもお手頃な価格となっています。

Raspberry Pi Zero

Raspberry Pi Zero v.1.3 リリース!

昨日、Raspberry Pi Zeroの在庫が久しぶりに復活しました。そして、今回からCamera Module用のCSIポートが追加されました。

2016-05-15-16.32.19-500x375

https://www.raspberrypi.org/blog/zero-grows-camera-connector/

Camera Module用CSIポートは、Zeroに搭載するために以前とは異なる小型のポートが採用されました。よって、利用するには別途ピッチ変換ケーブルが必要になります。ケーブルは各ショップで販売されているので、Zeroと合わせて購入すると良いでしょう。なお、対応するCamera Moduleについては、先日発売されたv.2.1だけではなく以前のモジュールも利用できます。

お値段は変わらず5ドルで提供され、今回は3万台が用意されているとのこと。ただし、お1人様1台限りの制限も以前と変わらないため注意が必要です。

日本から購入の際は、Pimoroni、Adafruitが利用可能です。すでに本体のみの販売などで売り切れも発生しているようですが、今後は需要が落ち着くまでの間毎日1000台の規模で生産が続くとのことなので落ち着いて在庫の回復を待ってみるのも良さそうです。

https://shop.pimoroni.com/collections/pi-zero
https://www.adafruit.com/products/2885

NetworkManagerでカンタン!SORACOM SIM自動接続環境を作ろう

こんにちは、あっきぃ/大内です。本記事はソラコムのSoftware Design誌巻頭特集記念リレーブログ 5月16日の記事です。本来は太田さんが担当でしたが、ご多忙とのことで急きょ私が書かせていただくことになりました。

https://blog.soracom.jp/relay-blog/2016-04/

私からは、ハードにRaspberry PiとLG製L-05Aモデムを、ソフトウェアにUSB_ModeSwitchとNetworkManagerを使用して、SORACOM SIMの自動接続環境を構築する方法をご紹介します。

なお、OSはRaspbianを利用しますが導入方法は割愛します。ただしそれ以外のLinuxでもおそらくそのまま利用できるでしょう。

(知っている人からは「こないだ自分のブログに違うSIM使う前提で書いてたやんけ」って突っ込まれそうですが、許して><)

20160422014027

なぜNetwork Manager?

LinuxでSIMを利用したネットワーク接続には、一般的にはwvdialが利用されるようです。しかし、自動再接続は非対応で、一定時間ごとに接続するスクリプトを別途仕込む必要があるようです。スクリプトを仕込み忘れてしまうと、切断されるたびに手で再起動する必要がありますし、そもそもこのスクリプトの動かし方自体あまりスマートではないように見えます。

NetworkManagerではそのようなことをしなくても自動起動や自動再接続、ホットプラグにも対応します。電源を入れるだけで後は良きに計らってくれるあたり、IoTデバイス的に向いてそうですね。

やること

やることは以下の2点です。

  • USB_ModeSwitchの設定を置いてデフォルトの設定をオーバーライド
  • NetworkManagerでPPP接続

USB_ModeSwitchの設定

USB_ModeSwitchの設定は、/etc/usb_modeswitch.d/1004:613aと言うファイルを作成して、以下の内容を記述します。

# LG L-05A
TargetVendor=0x1004
TargetProduct=0x6124
StandardEject=1
WaitBefore=2

オリジナルの設定ファイルが/usr/share/usb_modeswitch/configPack.tar.gzの中にあって、デフォルトではここから読んでいるようです。/etc/usb_modeswitch.dにファイルを配置することで、オリジナルの設定をオーバーライドできます。オリジナルからの変更点は、WaitBefore=2の1行を追加しただけです。

デフォルトの設定では、CD-ROMモードで認識したL-05AをEjectするタイミングが早すぎるため、USB_ModeSwitchが処理に失敗していました。WaitBeforeパラメータを使用して2秒ほど待つように変えてあげることで、USB_ModeSwitchが正しく動作するようになります。

(参考) http://www.draisberghof.de/usb_modeswitch/bb/viewtopic.php?f=4&t=2130

NetworkManagerのインストールと設定

NetworkManagerをインストールします。デフォルトでインストールされているネットワーク管理とは競合するため、dhcpcd5はアンインストールします(もし入ってなかったらそのままで良いです)。


sudo apt-get install -y network-manager
sudo apt-get remove -y dhcpcd5

(ちなみに、デスクトップ環境の人はGUI管理ツールも入れると良いです)
sudo apt-get install -y network-manager-gnome

もう一つ、デフォルトと競合するものとして、/etc/network/interfacesをエディタで開いて全部コメントアウトします。この時点でOSを一度再起動しておきましょう。

次にNetworkManagerの接続設定を記述します。/etc/NetworkManager/system-connections/soracomを以下のとおり作成します。接続先の情報はSORACOMの利用方法にあるので、そちらを参考に書きます。

[connection]
id=soracom
uuid=271bf085-ac9e-4f98-901c-c300f267d26f
type=gsm
autoconnect=true

[ppp]
refuse-eap=true
refuse-mschap=true
refuse-mschapv2=true

[ipv6]
method=auto

[ipv4]
method=auto

[serial]
baud=460800

[gsm]
number=*99***1#
username=sora
password=sora
apn=soracom.io

設定ファイルの書き方についてですが、今回はデスクトップ環境でNetworkManagerのGUIを使って設定を作りこんでから、下記の設定パラメータ一覧を参考にパラメータをいじりました。

https://developer.gnome.org/NetworkManager/stable/ref-settings.html

接続

L-05AをRaspberry Piに接続すると、USB_ModeSwitchによってデバイスが初期化され、電波ランプが青で数秒点滅したあと点灯に切り替わるのがわかります。

ipコマンドで見るとこうなります。ちゃんとアドレスを拾っていますね。

pi@raspberrypi:~ $ ip a show ppp0
4: ppp0: mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UNKNOWN group default qlen 3
link/ppp
inet 100.94.xxx.xxx peer 10.64.64.64/32 scope global ppp0
valid_lft forever preferred_lft forever

Raspberry Piを再起動しても同じように自動で接続されれば完成です。

さて、これで何しよう?

電源を入れれば勝手にSORACOMでネットワークに繋がるようになったRaspberry Piで何をしよう、というのが肝なわけですが、実はそこまでできていませんでした……。

先述の通りこの記事は自身の記事を使い回していますが、見ると「こいつをCD-ROMドライブに埋め込んで野外Ejectとしゃれ込みましょうかね……?」とか書いてるんです。それをどうしろと。

一方、リレーブログを見てみると、Raspberry PiとUSBカメラを組み合わせていらっしゃる方が見られました。ここはRaspberry PiらしくCamera Moduleを利用されるとよりそれっぽくなるかもしれません。ちょうど本日、Camera ModuleのCSIポートが追加搭載されたRaspberry Pi Zero v1.3がリリースされましたので、こちらと組み合わせてみてはいかがでしょうか。

https://www.raspberrypi.org/blog/zero-grows-camera-connector/

2016-05-15-16.32.19-500x375

Raspberry Pi Camera Module V2.1がリリース

Raspberry Pi Camera Module V2.1がリリースされ、イギリスの各ショップで販売が開始されています。公式ブログでの案内はまだのようですが、日本への発送が可能なPimoroniでも購入可能となっています。

Raspberry Pi Camera v2

Raspberry Pi Camera Module V2.1では、カメラのイメージセンサーがOmniVision OV5647からSony IMX219に変更となり、画素数が500万画素から800万画素に向上しました。動画撮影は1080p(30fps)、720p(60fps)、640×480(90fps)をサポートします(ThePiHut販売ページより。PiHutは日本への発送は未対応です)。

また、旧カメラモジュールと同様、通常のカメラと赤外線カメラモジュール”Pi NoIR”の2種類が用意されています。

Camera Moduleの新バージョンリリースの背景にはOV5647の生産終了があり、Raspberry Pi 3リリース時のMake:のインタビューでリリースが予告(予想?)されていました。

http://makezine.jp/blog/2016/03/eben-upton-talks-about-the-new-raspberry-pi-3.html

以前のCamera Moduleも良い画質でしたが、新しいモジュールの画質も見てみたいですね。


(追記)公式のリリースブログが投稿されました。

https://www.raspberrypi.org/blog/new-8-megapixel-camera-board-sale-25/

なお、使用にあたっては最新のraspividコマンドの導入とrpi-updateが必要になります。いずれはRaspbianにバンドルされると思いますが、早いうちにゲットされた方は、以下のURLにある手順を実行すると良いようです。

https://www.raspberrypi.org/blog/new-8-megapixel-camera-board-sale-25/#comment-1257384


日本国内での通販について

個人向けは
RSコンポーネンツ正規代理店のKSYで取り扱いを開始しています。

https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/31

また、法人向けはRSコンポーネンツで取り扱いをしています。

http://jp.rs-online.com/web/c/computing-peripherals/embedded-systems/video-modules/?#applied-dimensions=4294672515&cid=1691

Raspberry Pi Model A+ メモリサイズが512MBに増量

モデレーターの太田さんより、Raspberry Pi Model A+ メモリサイズが512MBに増量されたマイナーアップデート版がリリースされたとのことです。公式ブログなどでのリリース情報はまだのようですが、告知してOKの情報とのことなのでお知らせします。

https://twitter.com/masafumi_ohta/status/723177035355451396

現行のモデルの中では1番メモリの量が少なかったModel A+ですが、メモリ価格の下落によって512MBが搭載可能になたのは嬉しい変更ですね。Zeroよりもインターフェースに無理がないので、A+も良い選択肢になったような気がします。

ツイートではElement14のサイトが案内されており、Pimoroniはまだ入荷していないようでした。

https://shop.pimoroni.com/products/raspberry-pi-model-a-with-coupe-royale-pibow

Raspberry Pi 3でCentOS

昨晩、CentOSのRaspberry Pi 3向けのイメージが公開されたようです(RPi2も同じイメージで起動するようです)。なお、Raspbian以外のディストリビューションでは、Ubuntu MATEもRPi2/3対応イメージが公開されています。

Ubuntu MATEはこっち: https://ubuntu-mate.org/raspberry-pi/

で、CentOSをひとまずインストールしてみました。上記ツイートのURLからディスクイメージをダウンロードして、xzコマンドで解凍後、ddコマンドでSDカードに書き込みます。

CchcuC-WAAAQ000

起動すればあとは普通にCentOSとして使えます。Raspbianの起動時に出るRainbowもCentOSでは出ない模様。Pidoraとかもそうなのかな(実は他のディストリビューションは普段触っていない……)。

無線LANとBluetoothに関しては、ドライバーが読み込まれていないので、ないようでした。まあ、CentOSを使いたい人にそこを求める人はそんなにいないような気はしますが……(?)

RPi3:2.5A必要らしいけどいろんな電源を試してみる

Raspberry Pi 3では5V 2.5Aの電源が推奨となりましたが、なかなか入手が難しそうです。iPad用の電源5V 2.4Aとだいぶ近い容量ですが、この辺で妥協できないでしょうか。ちょっとくらいの用事なら1Aの電源が使えると手軽ですよね。というわけで試してみました。

右からiPad用5V 2.4A電源、iPhone用 5V1A電源、左がアキバで拾ってきた5V 1Aのジャンク電源です。

20160301210558

計測にはサンワサプライのワットモニターと、アキバでよく見るUSB電流・電圧チェッカーを使用しました。

起動後の電力と、適当に負荷をかける例としてyesコマンドを使用した状態の電力を見つつ、動作が継続するか見てみます。コマンドは以下のとおりです。コアの数だけ実行しています。終了するときはkillall yesします。

$ yes > /dev/null &
$ yes > /dev/null &
$ yes > /dev/null %
$ yes > /dev/null &

iPad用5V 2.4A電源

アイドル時。ワットモニターが2.4W、USBチェッカーが1.45Wくらいとでました。と言うか測り方これでいいのかな。これではチェッカーの消費電力も測ることになるので、ワットモニターは分けたほうがよかった気がします。とり直すのもアレなのでUSB電源だけ見ます。つまり0.29A(1.45W)。

20160301210808

yesコマンドを実行した時は0.83A(4.15W)になりました。この後測る5V 1Aの電源で安定するか早速怪しくなりました。もちろん、写真をとった瞬間以外では0.9Aに達する場合もありました。

20160301211132

iPhone用の5V 1A電源

アイドルは同じなので略しつつ、yesコマンドを実行した時は0.86A(4.3A)。この状態で、RPi3からpingを打ったりしてみましたが、一応動作は継続したようでした。が、ちょっと精神衛生的には良くない感じがしました。

20160301211607

アキバで拾ってきた5V 1Aのジャンク電源

yesコマンドを実行したら少しの間だけ0.8A台の数値を出していましたが、突然0.2A台に落ちてしまいました。リセットしていました……。やはり、1Aの電源では品質により粘れるものと粘れないアダプタが出てくるようです。

20160301211750

Ankerの電源

2.4Aの電源といえば、AnkerのUSB電源もPowerIQのものであれば2.4Aの供給に対応しているはずです。とりあえずyesしても稼働を続けていました。

20160301213403

まとめ

iPad用電源なら(0.1A足りないけど)たぶんイケますが、1A電源は怖いのでやめたほうがいいです……。

あと、CPU負荷が高いと80度くらいまででます、とのことだったので、おおたさんからの依頼で計測したところ(これもyesコマンドで負荷をかけました)本当に80度くらいでていました。。負荷をかけるような使い方を考えている方はヒートシンクを検討するとヨサゲです。PiBowケースの新作も、それを考慮してかCPUの上はあいています

CcbiC98UAAEntFY

Raspberry Pi 3 Model Bがリリース!&Raspberry Pi リリース4周年!

数日前から(非正規な方法で)ちらほらと話題になっていましたが、Raspberry Pi 3 Model Bが本日、Raspberry Pi 4周年目の記念日にリリースとなりました。

https://www.raspberrypi.org/blog/raspberry-pi-3-on-sale/

今回のリリースでは、CPUがCortex-A53を採用した1.2Ghz 4 coresの64bit CPUとなり、Raspberry Pi 2に比べてスピードが改善されている点が大きな変更点となります。また、待望のWi-FiとBluetooth 4.1がボードに標準搭載されたことになり、USBドングルを接続しなくても無線ネットワークが利用できるようになりました。

20160226235737

20160226235826

その他はメモリ1GB、LAN9514チップによる10/100M LAN・USB2.0*4ポート等、同じスペックを備えており、形状・サイズも同じです。

20160227000206

価格も変わらず35ドルとなります。

いくつかのサイトではベンチマークなどのレビューもあります。合わせてご確認ください。

http://blog.pimoroni.com/raspberry-pi-3/

Raspberry Pi 3から無線機能が搭載されたが、日本の技適は取得されているのか

日本の技適取得は現在調整中のようですが遠からず問題はクリアされるようです。

(一度取得済みと書きましたが、都合により上記の通り修正しております。すみません…。)

無線機能の詳細について

無線機能はBroadcomのBCM43438チップが搭載されています。新しいRaspbian、もしくはアップデート後のRaspbianにドライバーが入っており、すぐに利用できます。

2/29付のリリースをダウンロードしてください。

https://www.raspberrypi.org/downloads/

必要な電源の容量が2.5A以上となっていたが、新たに電源は買う必要があるか

Raspberry Pi 3は、必要な電源の容量が2.5Aとなりました。これまでのモデルで推奨されていた、タブレット向けなどの10WのUSBアダプターでも容量が不足することとなりました。

よって、Raspberry Pi 3の性能を出し切るような使い方をする場合は、2.5Aの出力があるUSBアダプターが別途必要になるでしょう。

アイドル状態などの場合はそれほど電力を消費していなかったため、10WのUSBアダプターでも事足りる可能性はあります。

ヒートシンクは必要?

BCM2837統合チップは負荷が上がった場合に80度前後まで発熱する場合があるようです。常時稼働するような場合はヒートシンクが必要になるでしょう。

Raspberry Pi 2のようなキセノンデスフラッシュはない?

ほとんどありません。HDMIポート付近のU8にあるチップに対して1cm以内の距離からキセノンフラッシュを浴びせるとリセットしてしまうようでしたが、これはRaspberry Pi2でも見られる現象であるとともに、よほど意図的にやらないかぎり問題にはなりません。

1cm以内の距離でU8チップにフラッシュを近づけたとき、Raspberry Pi本体はカメラのフレームのどこにも入ってませんからね。。。

どこから購入すると良い?

購入はRSコンポーネンツオンラインもしくはPimoroniから購入できます。

http://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=raspberrypi

https://raspberry-pi.ksyic.com/news/page/nwp.id/24

https://shop.pimoroni.com/products/raspberry-pi-3 (2016-03-02追記) Pimoroniから本体を購入する場合、技適に関する対応が不十分な可能性がある点を確認したため、一旦リンクを外しています。現在確認中です。

Raspberry Pi Zeroはいつどこで買える?

以前のブログ記事にコメントを頂いたり、各所でもよく見かける「Raspberry Pi Zeroはいつになったらどこで買えるようになるの?」について。

現在もRaspberry Pi Zeroは世界的に供給が間に合っておらず、製造できた分が販売されては数時間内に即完売と言う状況が続いています。このような状況から、日本国内で購入できる日はまだまだ先ではないかと推測されます。よって、現状では海外のショップの入荷状況をこまめにチェックして輸入するのが現実的な購入方法となります。

そんな中、Raspberry Pi Zeroの現在の在庫状況をチェックしてくれるサイトが登場したようですので紹介します。

http://whereismypizero.com/

現在、Raspberry Pi Zeroが購入可能なサイト(ただし、Pi Hutは日本向けの発送は非対応です)の一覧と、在庫状況が見られるだけのシンプルな作りで、ひと目が確認ができるようになっています。購入希望の方はこちらをこまめにチェックしてみると良いでしょう。

また、Raspberry Pi公式アカウント(余談ですが先日Twitterの認証済みアカウントになったようです)や、各ショップのTwitterアカウントもチェックしていると、入荷予告などをいち早くキャッチできます。

なお、こちらは1月下旬の公式によるツイートですが、Raspberry Pi Zeroはこのようにして製造されているようですよ。