Raspberry Pi 5 実機レビュー(外観編)

あっきぃです。

Raspberry Piの在庫が少しずつ復活する中、Raspberry Pi 5がリリースされました!今回はどこから語ってよいか迷うほどたくさんのアップデートがあるので、できる限り紹介していきたいと思います。

今回も例によってサンプルをお預かりしていますので、そちらを用いてレポートしていきます。

まずは外観編です。別途ベンチマーク編もアップしますのでお楽しみに。

全体写真

基板表面。詳細は後述していきますが、多数のポートが移動しており、今回も過去の世代との互換が失われている点は注意が要ります。

基板裏面。MicroSDスロットのみという点は変わりありませんが、GPIOポートなどの部品の”足”が製造方法の改良によって飛び出さないようになったほか、GNDに接続されたループ状の部品が2つ追加され、MicroSDスロットと3点で立つことで、平らな場所に置いたときの安定性が向上しています。

パワーアップしたCPU!

SoCには、Cortex-A76を採用したBroadComのBCM2712が搭載されました。Cortex-A76といえば2018年頃のコアですが、MacBook2015やIntelのSkylake世代に近い性能とされ、現在でも日常的な用途では不足がない性能をRaspberry Pi 5で使えるようになったことは大きな進化と言えます。

また、GPUも新しくVideoCore VIIが搭載されます。

メモリは4GBと8GB

RAMは、4267MHzのLPDDR4Xメモリを搭載します。リリース当初は4GBと8GBのみの販売となりますが、基板表面には製品のトレース用にメモリの容量を示す部品が実装されており、1GB、2GB版の製造予定を伺わせるパターンを見ることができます。残念ながら(?)一部でPi4の頃から期待されている16GBの用意はなさそうです。

新たに追加されたRP1チップは”サウスブリッジ”的IOポート

USB3.0ポートに横に目立つRP1チップは、SoCとPCI Express 2.0 x4で接続された独自設計のIOチップです。SDIO、USB2.0/3.0ポート、LAN、MIPI(4レーンのCSI/DSI)、GPIO、コンポジットビデオはこのチップから提供されます。

変化したCSI/DSIポート

Raspberry Pi 1 Model B+以降微動だにしなかったCSI・DSIポートの配置が変更されました。CSIポートがあった位置に2つ並ぶ形で配置され、デュアルのCSI・DSI共通ポートとして利用できるようになりました。つまり、これまでCompute Moduleでしかできなかったデュアルカメラ・デュアルDSIディスプレイがRaspberry Pi 5で扱えるようになったことを意味します。

なお、ポート形状はCompute Module、Raspberry Pi Zeroと同じ小さいタイプのケーブルになります。CSIケーブルはZeroと同じものが利用できますが、DSIケーブルはCSIケーブルと配線が異る点に注意が必要です。今回のリリースに合わせてオフィシャルのケーブルアクセサリが発売されたため、利用の際にはケーブルの用意も検討すると良いでしょう。

LANポートが再び移動。USB3.0はより高速に。

LANポートが3B+以前と同様、HDMIポート側に移動しました。PoE用のピンも移動したため、過去に発売されたPoE HATとの互換性が失われています。こちらも、Raspberry Pi 5のPoE HATが今後発売される予定です。

USB3.0ポートの配置はRaspberry Pi 4と変わらず真ん中に2ポート配置されています。Raspberry PiではVL805 USBハブチップによる分配でしたが、今回は2つの独立したコントローラーから提供されているため、同時にUSB3.0の帯域を使うことが可能になりました。

独立したUARTポート

UARTポートがGPIOから独立して、HDMI0とHDMI1の間に配置されました。このポートはRaspberry Pi Debug Probeを接続して、115200 baud rateで使うことができます。また、OS起動前のDiagもここから取得できるようになりました。

RTCがサポートされたPMICチップを採用。待望の電源ボタンも

電源管理チップにはdialog DA9091チップを採用しています。RTCが含まれるため、バッテリーを接続することで、時刻の維持が可能になりました。バッテリーはオフィシャルから発売されます。バッテリーは専用のポートもしくはスルーホールを使用して接続して使います。
(2023/10/4 お詫びと訂正)スルーホールはバッテリー用ではなく、電源ボタンと同等の機能でした。お詫びして訂正いたします。

また、電源ボタンが初めて実装されました。電源接続時はこれまで通りすぐに起動しますが、それ以降はPCと同じように電源を切ったり、再び電源を入れたりできるようになります。

PCIeポート

Raspberry Pi 4ではCompute Module 4でしか自由に使えなかったPCI Expressポートが、電源ボタンの横(元のDSIポートの位置)に用意されました。このポートはPCI Express 2.0 x1がサポート(非サポートながらPCI Express 3.0 x1も可能)されており、今後発売されるアクセサリボードを使って接続できるようになります。

スピードアップしたSDカードスロット

MicroSDカードスロットについては、Raspberry Pi 4では40MB/s前後の読み書き性能でしたが、Raspberry Pi 5ではUHS-I SDR104モードがサポートされたため、より高速な読み書きが可能となりました。

ファン電源ポートも搭載

ファンの電源・制御用のポートもUSB2.0ポートの後ろに用意されました。オフィシャルのケースやアクティブクーリングシートシンクのファンを接続して使用します。

なお、RTCバッテリー・UART・ファンのポートは保護用のキャップが付いており、外れやすく、なくしやすいため、あらかじめ外して口チャック袋などに入れて保管するか、思い切って廃棄してしまっても良いかもしれません。

消えたもの、変わらないもの

大きな変化が多数ある中で、変化しなかったものとしては無線チップがあげられます。これはRaspberry Pi 4と同じく、2.4GHz/5GHzの無線LANと、Bluetooth 5.0とBLEがサポートされます。

また、3.5mmの4ピンオーディオジャックが姿を消しました。このうち、コンポジットビデオ出力のみはRaspberry Pi Zeroなどのようにスルーホールで提供されます。

ベンチマーク編に続く!

ベンチマーク編では、恒例のUnixBenchや、ネットワーク、CPUのAESサポートによって高速化したOpenSSLの性能テストなどをご紹介します。

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